銀魂小説

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鼻先が触れ合うほどに銀時に迫った高杉の顔。
瞳は真剣そのものでちょっとやそっとの言い訳では動いてくれそうにない。



無愛想で常にツンツンしている高杉が珍しく可愛くおねだりしてきたのだ。
嬉しくない訳がない。


銀時は本音を言うと、今すぐにでも抱きたいところなのだが、場所が場所だ。
あくまでも、勤務中なのだ。
冷静に考える自分に銀時は我ながら感心した。
当たり前の事なのだけれど。



「今はまずいでしょ」
「何でだよ」



だが高杉は否定の言葉など聞き入れないとばかりに銀時にYESを強要する。


「駄目だって」


誘っているとしか思えない赤いシャツから覗く鎖骨。
少し見上げた右目やら白衣をぎゅっと掴んだ右手。
それらに銀時の理性は崩壊寸前、既にギリギリだった。
ここまできて断れたのが奇跡に等しい。



「…………。」



頑なに拒否する銀時に高杉はしゅんとして目線を落とした。
そして諦めたかと思いきや、銀時にとっておきの一言をぶつけた。




「……お願い、して?」




少し顔を赤らめて視線を逸らし、恥ずかしそうに口にした言葉。
それは頑張って保った銀時の理性をいとも簡単に打ち砕いた。



理性が切れたとなれば後は簡単だった。
本能的に銀時は高杉をベッドへと押し倒し、長い白衣を脱ぎ、ネクタイの結び目に指を入れた。


解いたネクタイはそこらに投げ高杉の華奢な体をまたぎ、
「勝った」とでも言いたげな顔を挟んだ両手をベッドへつく。
肘をまげ、白いシーツに体重をかけるとベッドのスプリングがきしんで音を出した。




そして最後に確認。




「途中で待ったはないからな」

「当たり前だろ」




と、今度は本当に鼻先が触れ合ったほどに接近した高杉の唇に、銀時は迷わずキスをした。







end

→おまけとあとがき

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