銀魂小説

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※3Zですが銀時





そんな訳ない。

もっと「好き」って言ってほしいとか、愛してほしいだとか。
恋愛で悩むなんて自分らしくないと思いつつも結局のところ高杉は悩んでいた。



頭の中には今坂本が教える因数分解などは微塵もなく、
どこかのクラスで授業をしているだろう恋人の坂田銀時だけ。
同性同士、先生と生徒…
と、かなり禁断な感じだか、好き同士なのだからそれはいいとして。
やることもしっかりやっている順調な付き合いをしているのだが、
がらにもなく高杉が悩むのには理由があった。



最近学校、それも教室以外で会っていない。
必要最低限なことしか話していない。



別に喧嘩をしたわけじゃなく正当な理由がある。
今は7月に入り数日…つまり期末テストの時期だ。
なので教師が忙しくなるのは必然的。
さらに今学期の成績つけや夏休みへ向けてで一番忙しい時期だった。



しょうがない。と理解はしている。

が、学校が終わりどこかに行ったり、家に泊まったりはもちろん会話も極端に減り、
高杉の苛立ちは日に日に募っていた。


「泊まっていい?」
尋ねれば「いいよ」と言うかもしれないが、あの不真面目で無気力な銀時が
頑張って仕事をしているというのだからなんとなく声がかけづらい。
こんなときの、自分と銀時との大きな差がもどかしく感じられる。



この時期にしては涼しい風が吹き、カーテンがパタパタと揺れる。
頬杖をつきぼんやりと眺める空は、今の高杉には嫌味なほどに晴れ渡っていた。


ただのわがままだというのも分かっているが、認めたくないくらい
どうしようもなく銀時が好きなのだ。
高杉の頭の中では、話したいや会いたいや触れたいや…
欲求がごちゃごちゃと混ざっているのだ。



まさに、一言で言うなら「欲求不満」。
それ以外の何物でもなかった。



キーンコーンカーンコーン…



1時間目終了のチャイムがなり、高杉はようやく我にかえった。




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