その他オリジナル

□死神さん
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「ん、いま暇なら嬉しい。用事が早く済む」

「はぁ…」

突然、俺の部屋に知らない人がいた

本当に突然で

てか俺が今日のお昼のカップ麺の湯を沸かそうと部屋をいったん出たときにはいた

なんかこんなクソ暑いのに黒い服なんか着ている

そして背中に背負ってるのは…

えっ!鎌ですか

なんか巨大な鎌を背負ってるんですけど…

しかし先ずは

「あの…どちらさまですか」

うん、それを聞いてみるのが一番だろう

「ん、自分、死神」

WHAT?いまなんておっしゃいまして

確か『死神』

嘘ですか、マジですか

「ん、マジ」

「人の心読むなぁー」

「ん、口から出てる」

お約束ですかチキショー

それよりも

「あの、嘘ですよね?何が言いたいかわかりたくないんですけど。てか家に不法侵入だろぉぉぉ」

そうだよぉぉぉなんか自分冷静だけどこいつおもいっきり不法侵入じゃねえかァァァァ

「ん、不法侵入は謝る、でも仕事上不法侵入やらなくちゃ仕事が出来ない」

うわー認めた上に律儀に謝ってきたよー

「ハイハイ、そうですか。死神といえば仕事は魂をとるんですかーまあ不法侵入しなくちゃやってけないよね」

取り敢えず話に付き合ってみる。

本当に死神だったら困るよな(笑)

「ん、わかってくれた。なら話は早い」

そう言うと、自称死神は持っていた武器を振りかざし

俺にむけてきた



えっ

「っておいィィィ、まさかのまさかだよな」

「ん、今日のノルマ」

えっ、この人マジですか、殺す気ですかァァァ

「ん、太郎であってる?」

確かに俺は太郎だけどさァァァまだ20だぞ、おい

まだ死にたくないしよぉぉぉ

何でこんな頭いかれた奴に付き合って死なないとなのぉぉぉ

「ん、さようなら」

「ちょちょちょちょっと待てェ」

「ん?」

ままま先ずはこの場を乗り切らなくてはァァァ

死にたくない死にたくないィィィ

「えっとさ、太郎はいま留守なんだよ。」

「ん?ここにいる」

怪訝そうな顔してきたが俺は必死だ

勿論太郎は俺だ

そりゃ怪訝な顔になるよなぁ

「あ、あのな、俺は太郎じゃなくて……次郎なんだよ、太郎は兄。留守番頼まれてんだよ」

「ん……」

苦し紛れすぎたか?

動きを止めた自称死神を見る

やっぱバレバレか?

殺されるか?俺

ああ…死ぬ前に恋人欲しかったなぁ…

「ん、悪かった」

へっ

「ん、間違って魂を取るとこだった。スマナイ」

いや…なんか謝れると罪悪感が…

「ん、また来る」

そして自称死神はドロンと消えてしまった

えっ、消えた?

ちょっ、えぇぇー


この日、少しだけその自称死神のことを信じてしまいそうになった



てかまた来るってことは来るのか?

勘弁してくれよ…


まあ、カップ麺食うか…






悪そうな奴では無さそうだし


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