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□月下の君〜夜想曲〜
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その紅い血を、僕に下さい。
欲しいんです、貴方の血じゃないと生きていけない。





白い首筋に噛み付いて、真紅の血を吸って―…
月夜に照らされる影はとても妖しく見える。











満月の夜、一人の少年は空を見詰める。
その瞳は切なげで、何を考えているのか分からない。




つうっと右目だけから一筋の涙が流れた瞬間、
少年の目の前は突然真っ暗になった。




「だ、誰だっ!!…こんな夜中に何しやがる!」



「何とは失礼やなぁ、景吾。俺って分からへんかった?
…血ィ足りんくなったから貰いに来たわ。」



奴はバンパイア。人間の血を吸い、
それを生きる糧としている。



この男―…<侑士>はそのバンパイアの一族なのだ。


「相変わらず綺麗な目しとるなぁ。
それに、こんなに白い肌…まるであの雲みたいやで」


「雲?何言ってんだよお前。
…で?今日は血だけを貰いに来たのか?」







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