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□届かない手
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君の手を掴めない今、僕は独りぼっち。
寂しいなんて言っても神様は信じたりしない。





それが俺には分かるから。










『忍足が死んだ―…』



嘘に聞こえた。自分でも可笑しい位に笑いが出そうだ。
何で、何で俺を一人にした?




愛してるって言ってくれよ、なぁ…?




俺は急いで車を呼び、病院へと向かった。
距離が近付くにつれ、何だか凄くもどかしい…
そして病院に着き、彼奴の居る病室へ走る。


荒い呼吸を整え乍、病室のドアを開けた。
その目に映ったモノとは……




包帯が顔中に巻かれ、滲む血…その周りには多くの医療機器。
見たくも無かった。
昨日まで自分を愛してくれた人がこんな目に遭うなんて…




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