short

□春死音
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「お前は壊れてなんかない」



優しい人間だから
こうなったんだ



「…そうかな…」



「あぁ。だから冷たい手なんだろ」



笑ってその綺麗な頬に
触れると、
気持ちよさそうに
クラウドは目を閉じた



その表情に俺の笑みも
深くなる
スタンドから零れる光が一層
目の前にある金髪と
白い肌が綺麗に写った



「…俺 セフィロスがいなかったらどうなってたのかな…」



目を閉じたままそう呟いた



「そんな事考えなくて良い。俺はお前の側にいるから」



「…うん」



一瞬だけ涙が見えた





















































「今日も忙しいな」



視線を向けると
ジェネシスが立っていた



「何だよ、ご立腹?」



直ぐパソコンに視線を
戻した俺にニヤけながら
話しかけてきた



消えろ、と思ったのは
仕方ない



「で、変わりないのか?」



こいつはクラウドの事を
知っている
前に少し会話に出て来たから




「あぁ、相変わらず」



簡単に治んないか、と
ジェネシスは続けた



「今日は行けそうにないんじゃないか?」



「…そうだな、いつ終わるか分かったもんじゃない」



今日は確実に遅くなる
社内を見渡せば良く分かる



今日だけは会えなさそうだ…
あとで連絡だけしておくか



























時計を見れば1時を
回っていた
真っ暗だ、と思ってはいたが。



隣にいるジェネシスは
半分寝ている



「…起きろ。終わらないと帰れないぞ」



「…ん、そうなんだけどな…」



昨日全然寝てないんだ、と
聞かされた



気の毒な奴だ本当



「…LOVE LESSか」



「その通りだ」



溜め息をついて
少し寝ていろと
声をかける前に寝ていた



イラッとしたのは
仕方ない



.
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