「いや、これは誕生日に書いちゃダメでしょう」と自分でボツにしたスザク誕生日シリアス話。
でもこれはこれで私らしかったかな、と思ったり。
シリアス大丈夫な人はおつきあいくださいませ。







このしるしは、君が残した最愛の証し。





かつては神の島と呼ばれたその島も、今はシステムを完全に失っている。
今はブラックリベリオン、そして悪逆皇帝に殺害された人々が眠る島。
あちこちに墓標が立つ霊園となっていた。
眠る魂たちを鎮めるかのように咲く白い花の中、彼は墓標を見つめる。
風が吹くたびに彼の白い着物と髪がなびいて、ほんのりと花の香りを漂わせた。

枢木スザク

彼を知る者は、この世界にもう数人しかいない。
そして、彼が100年前この世界に生を受けたことも。
ブリタニア最後の皇帝、ルルーシュの騎士であったことも、知るものはごくわずか。
100年もたてば知る者がいなくなるのは当然のことだった。

短かった髪は後ろのひと束だけのばされ、紅い紐で結わえられている。
剣は東洋式の刀に変わり、それも戦うためのシンプルなものではなく、形だけの刀のようだった。
喩えるならば、日本の神官が使う儀式用の刀。
日本人だからか、白い着物はよく似合っていた。
それでも幼い顔だちだけは100年前から変わることがないまま。
翡翠色の瞳だけは、少し色褪せていたけれど。

「ねぇ、聞こえてる?」

スザクは崩れた扉に触れる。
もう扉と呼べるような原型は止めていなかったが、それは確かに『むこう』に繋がる扉だった。
その自分が行くことが出来ない『むこう』に彼がいると、スザクは信じている。

「ねぇ、ルルーシュ」

笑う。

「僕ね、今日で117になったんだよ」

不思議だろ?
外見は変わらないのに。
自分を嘲るように笑って、スザクは扉に身を寄せる。
まるで、すがるように。

「いつになったら、僕は君に会いに行けるのかな」

外から風が吹き込んで、白い花を舞いあげた。
髪で隠れていた首筋があらわになり、そのしるしを闇の中に浮かびあがらせる。
鳥が羽ばたこうと翼を拡げた時の影。

紅い、所有物につける印に似た、
それは、









残酷なしるし
(このしるしがある限り、僕は君だけを思って生きる。
だけど。
僕は君に会えないよ)











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友人に「あおリズム全開だね★」とゆわれました。
勢いで書いたので支離滅裂ですんません。

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