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□泣き虫な子供
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泣き虫な








どうしよう。
どうしよう。

俺ってば…

嬉しくて、
嬉しくて、

涙が出ちゃう。




「ナぁルト?」


「泣かないで?」




目の前には眉尻を下げて困った顔で笑う、

大好きな、
大好きな、

カカシ先生がいて。




「あんまり泣くと、」


「キレイなお目々が溶けちゃうよ?」




せっかく俺に、

『好きだよナルト』

って。

『だから先生の恋人になって?』

って。

言ってくれたのに…




「ふふ、」


「ナルトは意外と泣き虫だねぇ?」




俺ってば嬉しくて、

涙が全然止まってくれなくて。

さっきからずっと、

ちっとも普通にしゃべれないの。

だから、だから、




「うん、いいから」


「後でいいから、」


「お前の気持ちゆっくり聞かせて?」




ゆるゆる、
ゆるゆる、

首を縦に振るくらいしかできなくて。

すごく、
すごく、

悔しいと思うのに。




「ほら、もう…」


「涙と鼻水でぐちゃぐちゃじゃない」


「せっかくの可愛い顔が台無しだよ?」




何でかずっと、

カカシ先生は笑ってて。

まるで赤ちゃんをあやすみたいに、

ぽん、ぽん、ぽんって。

その長い両腕で俺を抱き締めて、

ずっと背中を撫でててくれるもんだから。

俺ってばやっぱり、




「あらら…」


「何でまた泣くかな?」




嬉しくて、
嬉しくて、

涙が余計に止められないの。

でも俺ってば、

この涙が止まったら。

絶対、
絶対、

カカシ先生に。




「ふふ、」


「お前はほんと泣き虫だねぇ?」


「でも先生、」


「そういうお前も大好きだよ?」




うん。

でも、

『俺の方が大好きっ!』

って。

必ず言うから。




「ナぁルト?」


「大好き」




もうちょっと待っててってばよ?








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