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□負けないもん
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ないもん








無知な子どもは初めて何かに触れたとき、

それがどういうものなのかを身近な大人に聞くことで大きく成長していくのだと思う。

だから大人の俺は、

子どもに質問をされたら応える立場にあるんだけれども…






「カカシせんせー?」
「……」
「俺の話ちゃんと聞いてるってば?」
「……」



――…聞いてるよ。



「だからさー」
「……」
「あそこにいる犬!さっきから何してんだろって聞いてんじゃん!」
「……」



――…聞いてるけど、



「デカい図体してるくせに小っせーのに後ろから覆い被さってさー」
「……」
「押さえつけられてる小っせーのが何か可哀相だってばよ!」
「……」



――…俺はそれに何て応えればいいの?



「それにさー」
「……」
「デカい方がやたらハアハア言っててちょっと恐いってばよ…」
「……」



――…確かに俺は大人でお前の先生だし、

教えろと言われれば教えてやらないこともないけれど。



「んん?でもあの犬…」
「……」
「何かちょっとカカシせんせーっぽくね?」
「……」
「ハアハア言いながら腰振ってるとこなんかそっくりだってばよ!」
「……」



――…でも絶対にこういうのって、



「うんうん!アレは絶対夜のカカシせんせーに似てっ……むええ?」

「「いいからもう黙れ!バカナルトー!」」

「……」



――…道の真ん中でする質問じゃないと思う。
















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