The Shine of Fenril

□白銀の夢
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 ――さぁ…思う存分この刃を鮮やかな朱色に染めるがいい。


恨みを抱えたまま死んだ亡者たちが巣食う冥界をたった1人で統べる女王から渡されたのは血を求める黒き復讐の刃を持つ一振りの長剣。


それはまるでを受け取った男自身の怒り憎しみの心を鏡に写したかのように禍々しい輝きを放っていた。


――その刃をとった時貴様はもう


女王は低く抑揚のない声で言葉を紡ぐ。
男は目を閉じその言葉に耳を傾ける。
自分の心に固い誓いをたてながら。



どこまでも優しい君は復讐なんて愚かなことを望まないだろう。
けれど俺は君を奪った世界と人間をどうしても許せなかった。
自分が今やろうとしていることが生命の理から脱することは理解している。
…けれど奴らを血祭りにあげて君を取り戻せるならば。



――星を護り導く聖なる神などではない


俺はこの翼を捨てて黒き復讐者となる。



――貴様はただの



君を取り戻し、世界をあるべき姿へ、永遠のlastへと導くために……。




――愚カナ復讐ノ奴隷ダ………Earth




The Shine of Fenril

―――第2部―――








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