「いちょう。」
…………………………
君流した涙 両手広げて 僕抱きしめた
あの日から あの時から
「ごめんね」をくり返してた
* * *
僕達の出会いは、春。
今でも、何気なく歩く度に度々思い出すんだ。
僕と、友達と、またその友達と…
知ってる知らないなんて関係なしに集まって、大きな公園で大勢での花見。
「うわー!オレ負けてんじゃん!」
「じゃ、雄輔買い出しなぁ♪」
「ちくしょー!」
ジャンケン負けて、買い出し係。
一人騒いでた僕に話しかけてきてくれたのは、少し俯きがちの君。
「あの…」
「…あ。君も、ジャンケン負けたの?」
「…はい」
「じゃ、一緒に行こっか♪」
ゆっくり歩いて向かったコンビニで、二人の金使い果たして買った大量の食料。
一人全部持って歩き出すと、
「私も持たして♪」
優しく笑った君に、僕の心も温かくなった。
* * *
何気ない君との出会いも、僕にはでっかい出来事で。
あのときの花見を企画した奴に、
ジャンケンで負けたオレと君に、
買い出し係にしてくれた神様に、
何度も何度も優しく笑った君に、
ずっとくり返すオレからの「ありがとう」
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