いろいろ
□会いたいとは言わないけれど
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「にー、る?どうして」
「言っただろ?会いたいから来たんだって」
呆然としていた刹那だったが、とりあえずニールを部屋に上げる。
「よく、時間が取れたな・・・・・」
「まぁ、いろいろあって・・・。しばらく休みを取ったから、どっか行こう?」
それと、と言葉を区切って渡された青いリボンのついた箱。
「ハッピーバレンタイン、刹那。愛してる」
そういって唇に落とされたひとつのキス。
「・・・・・よく恥ずかしげもなく、こんなことが出来るな」
「そりゃお前さんのせい。形振りかまってられないだけだって」
抱き寄せられて、よりきつく抱きしめられる。
この感覚も久しぶりのものだった。
「あ、ちなみにそれは俺の手作り。愛情込めて作ったから、形は勘弁してくれよな」
箱を開けて中を見れば、若干形が歪なチョコレートが入っていた。
刹那はそれに少し笑うと言った。
「代わりに、お前が食べさせろ」
いつになく積極的な彼女に、少し驚いたニールだったがにやりと笑うと肯定を示した。
「了解、お姫様。ちなみに普通に食べさせんのと口移し、どっちがお好みで?」
「・・・・・任せる」
やがて口にはいつもより数倍甘いチョコレートが。