愛は儚く美しく


□ただ、君を思う
1ページ/4ページ



君だけを思ってる

禁忌だとしても

なにも恐れないから






-ただ、君を思う-








「女が愛せないって、結構重症じゃね?」


薄暗い部屋で、男が二人
ベッドに並んで座っていた


「うっせ…、お前もだろ。」


黒髪の男と、金髪の男
どちらも端正な顔つきで、どこか冷たい雰囲気を漂わせていた


「俺はどっちもイケるよ、でも女のが気持ちいや。」


俺を抱いといて、なんだその感想は?
ベッドじゃ散々、"気持ちいい"だの"純のナカ最高"とかほざいてたくせに


「あ、ごめんって!!拗ねんなよ、純も最高だからさ。」

「拗ねてねぇし。」


夏が俺の肩にもたれると、金髪が頬に触れて鬱陶しい


「お前、そのうち精子無くなるんじゃね?」


嫌みったらしく言ってやれば、夏はぽかんと口を開けたまま俺を見る


(なんだよ、俺ばっかり)


─好き、なのに
夏が好きすぎて、冷たい態度とっちまうけど

気づけ、気づいてくれよ


夏は、女も男も関係なく食う獣みたいなもんで
俺も餌の一つなんだけど…

でも、それでも
夏の心のどっか片隅にいれるだけで幸せだった


「まじで拗ねてる、純かわいーな!!」

「だから!!拗ねてなんか」

「うん、ごめんって!!純の事好きだから許して?」

「!!」


立ち上がった俺に、上目遣いでそう言う夏に、心が締め付けられる


(抱いた奴、全員に言ってんだろーが。)


そんな台詞、いらないんだ





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ