消えない記憶 シリーズ

□花霞夢結び
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一、序章

また どこだかわからないけれど、畳の匂いのする・・・和室。
体が熱い…
熱にうなされて横たわる私の横には、同じ年ごろの・・・髷を結った・・・青年。


「お前も、私を置いて逝くのか?」


彼の辛そうな顔を見ると、胸が痛む・・・
そんな顔しないで・・・


「すみ・・・ま・・・せん・・・」


声を出すのも苦しい。
喉が乾燥して・・・


「頼む・・・逝かないでくれ・・・!」


ごめんなさい、私・・・もう・・・


「・・・一足・・・先に、姉様・・・たちの・・・元に・・・参ります・・・」


また、逢えますように・・・





 はながすみゆめむすび


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