消えない記憶 シリーズ
□花霞夢結び
2ページ/25ページ
一、序章
また どこだかわからないけれど、畳の匂いのする・・・和室。
体が熱い…
熱にうなされて横たわる私の横には、同じ年ごろの・・・髷を結った・・・青年。
「お前も、私を置いて逝くのか?」
彼の辛そうな顔を見ると、胸が痛む・・・
そんな顔しないで・・・
「すみ・・・ま・・・せん・・・」
声を出すのも苦しい。
喉が乾燥して・・・
「頼む・・・逝かないでくれ・・・!」
ごめんなさい、私・・・もう・・・
「・・・一足・・・先に、姉様・・・たちの・・・元に・・・参ります・・・」
また、逢えますように・・・
はながすみゆめむすび
.