見えないキモチ 〜後日談短編集〜
□1 如月大和の千思万考
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学校に着いて体育館に向かえば、もう何人かは自主連を始めていて、そこにはもちろん、二人のマネージャーの姿もあった。
「あ、大和。おはよう。」
「はよ。」
飛鳥が、俺に気づいて駆け寄ってくる。
「昨日は・・・あの後、大丈夫やった?」
心配、してくれてたんだな。
「ん。おかげさまで。・・・ありがとうな。」
「オレが役に立てたんやったら、うれしいわ。」
「・・・・・・お前さ、なんで自分のこと、『オレ』なんだ?」
「へ?なんなん、急に。」
「別に・・・なんとなく、気になったから。」
昨日は・・・昨日の電話では、「うち」って、言ってたのに。
「そやな・・・初めは、兄貴の影響やったかな。」
「兄貴?」
「そや。両親共働きやから、兄貴とおる時間が一番多かったし。」
「そっか。」
一応納得。
「・・・まぁ、影響っちゅうよか、反動いう方が正しいかもしれへんけど。」
「はい?」
「あ。気にせんといて。」
「あ、あぁ。」
「ヤマト!ちゃんと練習しなよ。先生来るよ!」
加賀の呼びかけで俺らの会話は終了して、俺は部室に行って着替えて、いつも通りの朝連になった。
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