小説部屋
□第1話
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〜京都〜
ズズ〜ッ・・・
「はぁ〜・・・茶はえぇなぁ・・・美味いわぁ・・・」
黒髪の少年が畳に正座してお茶を飲んでいる・・・その様子は見るからに寛いでいる。
「で、誠君。話を進めていいかい?」
目の前にやはり正座した渋めのおじさんが座っている。
「はぁ・・・ようは魔帆良に転校せぇ、と・・・そう言う事やんな?」
「ええ、そうです。で、どうですか?」
「ん〜・・・」
少年・・・誠は考える素振りを見せると・・・
「ま、えぇよ。こっちに居てもあんますることないし。」
「本当ですか!では今から向こうの方に向かってください。詳しくは向こうで話してくれるそうですので。」
「ん、わかった。んなら用意しに行くわ。」
いきなり行けといわれても動じない誠・・・慣れているのだろうか・・・
そして・・・
「ほな行って来ます。」
「ええ、行ってらっしゃい。・・・そこで・・・大切なものを・・・」
おじさん・・・近衛 永春の言った言葉は小さすぎて聞こえなかったのか、そのまま見えなくなった・・・