REBORN!

□電話。
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バンッ!!!!


『っ!?』

いきなり部屋のドアが開かれた・・・むしろ壊されたドア、そこにはザンザスが立ってた。


「てめぇ、俺様意外の男に電話なんて・・・何、泣いてやがる」
『な、泣いてなんか・・・』


ギュッ




すぐそこにザンザスの匂いを感じる。
気が付くと、私はザンザスの腕の中にスッポリと納まっていた。



『いきなり電話が切れれば心配するに決まってるでしょ!!』
「俺は誰にも負けねぇ」
『・・・知ってるけど、だって』
「・・・ッチ」


ザンザスが負けない事ぐらい分かってるけど・・・職業が職業なだけに心配するじゃない。
きつく抱きしめてくるザンザスの腕の中で、モゾモゾ動くとドアの向こう側が見えた。



『・・・スクアーロさん?』
「さっさと消えねぇと、かっ消すぞ、カス鮫」



えっ?あれ??



『もしかして・・・ザンザスってすっごい近い所から電話してた?』
「・・・」
「なんだぁ?気が付いてたんじゃねぇのかぁ?」


気がつけるか!!!




『えっとぉ・・・何してんの?』
「てめぇを連れに来た」
『無理』
「拒否権はねぇ」
『付き合うとき、約束したよね?別れるよ?』




私の意見を尊重して、って。


基本的にザンザスは自己中だけど、少しは私を気遣ってくれてる。
大体私は、今テスト期間中だもの。
ラスト一日。
イタリアに行くなんて・・・



「テメェには無理だ」
『っ!!』



悔しい。見透かされてる。
自分でも分かってるよ・・・別れるなんて無理。



ザンザスは、私から離れてドアがあった場所に向かって歩き始めていた。
そして、スクアーロさんと何か話してる。










相変わらず大きな背中。





『なにさ・・・私ばっかり』




年に数えるくらいしか会えなくたって、

電話も何かある時じゃないとかかってこなくったって、

記念日も何もお祝いできなくても・・・




寂しい。
会いたい。




でも、ザンザスは忙しい人だからって・・・






私ばっかり、好きみたいじゃない。




スクアーロさんは私の方を見て、ため息をついた。
どうせ、あのザンザスに私を無理やりにでも連れて来いとか、そんな無茶な命令を受けたんだ。
私の都合も聞かないで・・・





「・・・一日だけ付いて来い。学校には話しておいてやる」
『え??』
「うちの我が侭ボスは、お前不足で使い物になりゃぁしねぇんだぁ」




ドキッ。


『う、うそだぁ〜』




し、信じられないよ。
何時も自信満々で、余裕綽々なのに。


「信じられねぇなら、面白れぇ話を聞かせてやる」


そう言うと、スクアーロさんは私に耳打ちをするように顔を近づけてきた。


「本当は、あと一日待つハズだったんだぁ・・・だけど、あのクソボス、お前の笑顔見たら歯止めが効かなくなっちまった」


えっ???


「携帯握りつぶしながら、顔を真っ赤にしてたぜぇ・・・隠そうとしてたがな。クックック」


あのグシャって音は、そういう訳だったんだ・・・



それって・・・





「随分愛されてるじゃねぇかぁ」



そこまで言うと、スクアーロさんもザンザスと同じようにドアだった所に歩いていった。





カァアアア




自分の顔が真っ赤になるのが分かる。






私は、勢い良く走り出してスクアーロを追い抜き、ザンザスの所に向かった。








ザンザスに一言言わなきゃ!!!


『ザンザス!!!』
「何してやがる・・・さっさと行くぞ」
『あんた、どっから覗いてたのよ!!!!変態!!!』



だって、私は部屋の中で電話してたんだから!!






「・・・あのカス鮫!!!かっ消す!!!」

コォォォオオ



ザンザスの右手に光が集まってきた。
あっ、スクアーロさんやばいかも。
ど、どうしよう?!


『そんな、そんな暇あるならねぇ!!・・・もっと私と一緒に居てよ』
「・・・」



ドキッ。



一瞬目を見開いたと思ったら、直ぐに見つめて来た。
まっすぐな瞳から、目が逸らせない。





そして、私は担がれていた。




『ちょ、ちょっと!?』
「一日中離してやらねぇから、覚悟しとけ」
『っ!?///』



やばい。
これ、マジだ。






END

2010/5/13
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