REBORN!

□雨
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『え〜っと・・・何ですか?』
「バッカ!傘に決まってんだろ!」
『それは見れば分かります』

バカにしてるのでしょうか?
・・・たしかにこの間は数学バカにされましたが。


「外雨降ってるからよ」
『・・・』
「お前どうせ、傘持ってないだろ?」
『そう、ですけど・・・』

なんで獄寺くんって、そんな私の事知ってるんでしょう?
ちょっと怖い・・・かも。




「貸してやるよ」
『それはありがたいんですけど、獄寺くんはどうするんです?』
「俺は・・・その・・・どうにかするからいいんだよ!!」
『・・・ツナくんはさっき京子と帰ってて、山本くんは舞子ちゃんと帰ってましたよ?』
「・・・」



獄寺くんの友達ってこの二人ぐらいしか知らないですし。
他に獄寺くんがどうにかできそうな事って・・・


「〜〜っ俺の事はどうでもいいって言ってんだろーが!」
『じゃあ、私がどうにかしますから、傘さして帰ってください』



・・・って言ってもこんな時間だし、友達も全員帰っちゃったんですけどね。
もし、私に傘貸して獄寺くんが濡れて帰ることになったら後味悪ぃじゃないですか。
だったら、私が濡れて帰るほうがよっぽどいい。
明日休みですし。


「走って帰るからいいんだよ」
『獄寺くんが風邪ひいちゃうじゃないですか。そんなの嫌です』
「・・・///」

あっ!

『一緒に帰りましょう!』

我ながら名案!!!
それなら二人とも濡れないし、こんな言い争いすることもないし、早く帰れますし。
確か今日は面白ぃテレビがやるって言ってましたしね!

『そうしましょうよ』
「・・・この傘で?」
『はい』
「一緒にか?」
『それしかないですよ』
「おっ、お前?!?///」

獄寺くんが持ってた傘をとってさすと、
意外と大きくて、これなら二人とも濡れないですね。



「・・・恥ずかしくねぇのかよ」
『恥ずかしい?』

この傘持ってるのそんなに恥ずかしいかなぁ?
別に女の子が黒い傘持ってたっていいじゃないですか。






「はぁ。貸せ!俺が持つ!!」
『あ、ありがとうございます・・・』
「・・・カバンも持ってやるよ。仕方ねぇから」

あっ。
まだ返事してないのに盗られた。


















さっきから無言の状態が続いてる。
別に居心地は悪くないけど・・・獄寺くんがそわそわしてるのはなんででしょう?



「お、お前・・なんでこんな時間まで学校にいたんだよ?」
『・・・その言葉そっくりそのまま獄寺くんに返してもいいですか?」



まさか、数学の追試で先生に呼ばれてたなんて言えないです。
そんな事言ったらまた獄寺くんに教えてもらうハメになっちゃいますし・・・。
はぁ・・・いっつもギリギリで追試逃れてたのになぁ。



「?!俺は、その・・・なんだ〜〜・・・色々やってたんだよ!!それよりお前は?」
『えっと・・・』


私嘘下手だから、下手に嘘ついてもかっこわるいですよね。




『私の事より、獄寺くんの事もっと話してください』











・・・これで話題が逸れればいいけど。

「お、俺のこと?!?!///」

あっ、上手く逸れそうです。

「・・・///」

また無言になっちゃいました。




『・・・でも』
「!」
『獄寺くんが残っててくれてよかったです』


だって、傘だけじゃなくて今日のカバン重かったから。
辞書2つも入ってたらそりゃ、重くなっちゃいますよね。
それを軽々持ってくれてる獄寺くんはすごいです。




『今日はついてます!』
「・・・そーかよ///」
『また一緒に帰ってくれますか?』




重いカバン持ってくれたら嬉しいな。
なんて・・・ムシのいい話ですよね。





『・・・すみません。調子にのりました』
「バッ!?べ、べつにイヤとか言ってねぇだろーが!!!」
『それじゃあ・・・』
「た、たまにだったら帰ってやっても・・いい」
『ありがとう!!』




お礼になにかしたほうがいいのかな?
またアイスでもおごったほうがいいのかな?
あれ?これって餌付けですか?
でも、獄寺くんもなんだか嬉しそうだからいっか。









そんな事を考えてたらお家まで着いちゃいました。




end
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