Painless
□02-オフ
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「情報収集の内容は?」
「生体兵器」
「…?」
生体兵器?…なんだそれ?
聞いたことのあるような、ないような…。
「わかんないでしょ…だから、生体兵器についてちょっと調べてみたの」
そう言って、ニカは持ってきていた書類をカノンに渡す。
ニカもシュウと一緒で情報収集を専門とする。
渡された書類も分かりやすくまとめてあった。
俺は、その書類に目を通す。
「生体兵器ってのは、人間が改造されて兵器と化してしまったもののこと。どう兵器と化すのかは、まだわかってないのよ」
ニカは、端的に言った。
シュウも運が悪いな。
こんな危険な所に情報収集だなんて…。
俺は、そんな事を考えながら、クリップで留められた数枚の紙をパラパラとめくった。
「!?」
最後の紙に写真が載っていた。
驚いた
それは、どうみても…
普通の少女だったから。
「この子は?」
俺は、ニカにその写真を見せて尋ねた。
「わかんない」
「へ!?」
「その子が生体兵器なのか、ただの少女なのか…」
「でも、どうみても普通の女の子…に見えるんだけど」
「もしかしたら、改造される前かもしれない。
その辺は、どれだけ調べてもはっきりしなかったの」
ニカは不満そうに言った。
明らかな情報じゃない分、ニカの仕事心は、もやもやしているようだ。
「気になるんだけどね…私は、この任務任されてないし…
ここまでしか間接的に調べることはできないみたい。
あとは、シュウの仕事の範囲になっちゃうしね」
そうニカは笑って言った。
でも、俺には分かる。
「心配?」
「えっ?」
「シュウのこと、心配しずぎて顔に出てるよ」
俺は、ニカを安心させるように励ます。
「シュウだって、頑張ってる。だから、俺たちも仕事は違うかもしれないけど頑張ろう。シュウの任務が終わったら、また3人でどっか行こう!なっ?」
そう言うと、ニカは笑顔で頷いてくれた。
「じゃぁ、もう部屋に戻るよ。ゆっくり休んで♪」
ニカは立ち上がり、部屋を出て行った。
俺は、ソファーに寝ころんで、もう一度ニカにもらった書類を見た。
「生体兵器…か」
そこから、記憶がない。
きっと、書類を見てる途中で睡魔に襲われて寝てしまったみたいだ。
俺が起きたのは、次の日の朝だった。
太陽の光が、俺の目を刺激する。
そして、シャワーを浴び、Tシャツとジーパンというラフな格好に着替えた。
それから、部屋を出て食堂へと向かった。
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