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□20-The key to memories
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第20章 The key to memories


「シュウ!!教授が呼んでるぞ〜」

「はいはぁい!今行きま〜す…」



俺は教授に呼び出されました!!

教授ってのは、キリヒトのことね。

きっとまた新開発やら実験やらの打ち合わせでしょ…

あぁ、めんどくさい。


ネロの記憶さえ戻れば、この研究所をぶっ壊して、俺も此処からさっさとおさらばできるのに…。

まだ、それを取り戻すきっかけも見つかってない。

カノンは、ネロとだいぶ打ち解けたようだけど…

肝心な記憶は取り戻せていない。。。

何か良い方法とか見つかんないかな〜…



コンコンッー

キリヒトの部屋のドアをノックすると、ジョンさんが出てきて、どうぞ、と俺を中に入れた。

「あら?シュウ君も教授に呼ばれてたんだぁw」

「あ、イズミちゃん…(汗」


俺、この人嫌〜い;;

彼女は、いっつもベタベタひっついてくる。

あ”〜もぅっ!!

ほら、またひっついて来た…

「お。イズミたち、来たか」

そこで、隣りの部屋からキリヒトが出てきた。

俺たちは、軽く頭を下げた。

「教授?今日は、何で集まったのですか?」

イズミは、さっそくキリヒトに質問した。

「ん?実はな、新しい生体兵器を作ろうかと思ってな〜♪」

「っ?!」

キリヒトが軽く言った言葉が、俺の胸に突き刺さった。

イズミちゃんはニヤニヤ笑っているし、ジョンさんも平気な顔をしている。

キリヒトにいたっては、ホントに楽しそうに卑しい笑みを浮かべていた。

いかん!俺も平常心を…

「ん?シュウ、どうした?そんな怖い顔をして」

「いや…。俺はただ、今のところネロの血筋でしか成功していないのに…実験台は、どうするのかと思いまして…(汗」

俺は、とっさに少し疑問に思ったことを聞いてみた。

「そんなことか…ははは。そんなもの、実験台は…”ネロ”さ」

「…え?」

俺の聞き間違いか…?

「だから、ネロだよ。今回、作ろうと思っているのは、成功した生体兵器のバージョンアップしたものだ。基本は変わらない。ただ、最近、ネロの力が落ちてきたように思えてなぁ…」

「でも、失敗したら…」

「何を言っているんだ。失敗しないように、精密で成功が確信できるくらい、事前に実験をしてもらおうと思ったんだ」

「私たちでしたら、一週間もかからずに成功できるようにしますわw教授」

やばい…

このままじゃ…

イヴが、凶悪な生体兵器になってしまう。


なんで、こんな時に…


そんな時、俺の目に入ったのは、キリヒトが手に持って眺めている綺麗な”ネックレス”。

「ねぇ、イズミちゃん…」

俺は、小声でイズミに聞いてみた。

「ん?何」

「教授が今持ってる、あのネックレス…。何?」

「あぁ、あれ?あれはねぇー、ネロのネックレスなんだってw」

「?!…ネロの…?」

「そwなんか、ネロが此処に来る前、あれを身につけてたんだって」

噂だけどね?っと彼女は付け加えた。

でも、俺は確信していた。

俺の持ってるサラの写真には、あのネックレスと同じものがサラ自身の首にある。


噂なんかじゃない。


今、キリヒトが持っているネックレスは、紛れもなく…

ネロ=サラのもの。



「あれだ…」

教授は一通り実験の内容を話すと、そのネックレスを手に椅子から立ち上がった。

そして、隣りの教授の寝室に向かって行く。

あっちに行っちゃったら、どこにネックレスがあるのかわかんないじゃんっ!!

どうする…?

俺は教授が寝室に入ると、それを追いかけるように教授の寝室の中に入った。

ジョンさんに止められたけど、今は無視!

「教授!!」

俺は、キリヒトの寝室を初めて見た。

そこには、きらびやかな物ばかり…。

なんなんだ…この部屋は。。。。

「シュウ!此処は、私の部屋だぞ。勝手に入るな!!」

「すみません…でも…どうしても聞きたいことがありまして…」

俺はとにかく理由をつけて、彼が何処にあのネックレスをしまうのか確認しようと思った。

しかし…

そう上手くはいかないもので。

「それなら、待ってなさい。あとで、聞く」

「…はい」

キリヒトは、俺を一旦寝室の外へ追い出した。

「シュウ君…教授のプライベートルーム見ちゃダメじゃんw」

イズミちゃんは、呆れたようにこっちを見て言った。

「そうだぞ。シュウ。今のは、やりすぎだ!いくらお前でもな…」

「…すんません」

すると、キリヒトが寝室から出てきた。

「シュウ。聞きたい事というのは何だ?」

「あ…はい」

うわー…何にもないっ!!汗

聞きたい事…聞きたい事…

ネックレスは何処にしまったんですかぁ??

なんて、死んでも聞けねぇー(汗

「何なんだ?」

「あの…その実験に成功したら、ネロはどこまで強くなるんです?」

ナイス質問っwぇ

俺の質問に、キリヒトはニヤっと笑う。

「どれくらいだと思う…?」

「え…建物を壊せる…とかですか?」

「くくく…そんなもんじゃないさ♪戦争にだって出せる…最強の生体兵器になるんだ」

「戦争…」

最っ低だな…。

「質問はそれだけか?」

「あ、はい。ありがとうございました」

俺とイズミちゃんは、キリヒトの部屋から出ると研究所に戻った。

「シュウ君シュウ君!あのネックレス、めっちゃ綺麗だよねぇ…私欲しいなぁ」

バカ!

欲しいのは、俺の方だ!!

「うーん。難しいんじゃない?だって、教授の宝物でしょ…」

「だよねぇーw実験、楽しみ!頑張って、早く実験やろうねぇvV」

「……」

俺は、何も答えられずに、トイレに逃げた。


「なーんか…怪しい」

イズミちゃんが、そんなことを言っていたのも知らずに…



*



「ニカ。頼みがあるんだけど」

「ん?シュウ、どうしたの?」

俺は、今ニカと資料室の中で話してる。

「ニカにしかできないと思うんだ」

「何それ…難しいのはお断りよ?笑」

「難しくないさ。見てくるだけでいいんだ」

「見てくるだけ…?」

「そwやっと記憶の鍵になりそうな物を見つけたんだ!!」

「え、うそ!」

「ホントだよ。これ…見て」

俺が取り出したのは、サラの写真。

そして、首元を指さして…

「ここ。このネックレス。キリヒトが持ってたんだ…」

「ほんとに?何処にあるの?」

「それが分からないんだ。でも、キリヒトの寝室にあるのは確かだよ!」

「これが何処にあるか…それを見てきて欲しいってわけね」

「そう。大丈夫?」

「それくらいならwまた、分かったら言うわ」

「頼むよ」




ーニカsideー


私は今、木の上にいます!

シュウに頼まれた事は、重大な事で…これが分からないと行動のしようがないもんね。

私は、キリヒトの部屋の近くの大きな木に登った。

キリヒトの部屋は結構高いところにあるから、木を登るのはいいけど…

枝がだんだん細くなってきて、不安定だ。

どうか…折れませんように…

見つかったら溜まったもんじゃないわっ!!

朝からずっと此処で観察してる。

もう、昼近くになるんじゃないかな?

そう思った頃に、ちょうどキリヒトはベッドから起きた。

シュウが言っていた通り、キリヒトの寝室はあらゆるところに高価なものが置いてある。

「?」

キリヒトは、部屋を出ずにある所で止まった。

ん…見にくい…(汗

ギリギリの所まで、身体を前に出して覗く。

何あれ…?

宝箱かしら…

そこから、取り出したのは、紛れもないサラのネックレス。


あぁ〜。

あそこに入ってるのね。


これで、ネックレスの在処が分かった。

あとは、このことをシュウに話して、カノンと3人で策戦を立てれば準備は万端ね。

私はシュウに会うと、ネックレスの在処を教えた。

「ありがと!ニカ。助かったわ〜♪」

「いいよ。これくらい」

「じゃ、後は、俺とカノンで何とかネックレスを奪ってくるから!ピンチになったら助けてね♪」

「ピンチになったら…ね!笑」

というわけで、私たちは少しだけ前に進むことができた。



第20章 END
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