Painless

□19-power of music
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第19章 power of music


俺は最近、夜中にギターを持って外に出るようになった。

ネロ…いや、サラの記憶さえ戻れば、俺らは任務を遂行できる。

どうやったら…サラの記憶を取り戻せる?

俺はいつも通り、あの森へ行ってギターを弾いて歌っていた。





♪〜♪〜♪〜

また、聞こえるあの歌。

誰が歌ってるの…?

私はずっと気になっていた。

毎日聞こえるあの微かな歌声は、私の頭の中に染みついて離れない。


カタンッー


ベッドから降りて、開いている窓から外を見た。

「行って…みようかな」

ちょっとだけ…

こっそり覗いて見るだけ…

すぐ帰って来れば、平気よね?

窓から身をのりだして、外へ出た。

「……」

キリヒト様の命令以外で外に出たのは初めて。

外には出るなって言われてるけど…

ばれなきゃ大丈夫よね;;

私は、音のする森の方へ吸い寄せられるように向かった。

どんどん大きくなってくる歌声。

ドキドキしながら草の茂みに隠れる。



♪〜♪〜♪〜





誰かが近付いてくる…。

もしかして、フジ…か?

俺は気配に気付いていながら、歌い続けていた。


カサカサ…


何隠れてるんだろう?

普通に来ればいいのに(笑

なかなか出てこないから、ちょっと草陰に声をかけてみた。

「出てきたら?」

しかし…

「ぇっ?!Σ(●*O□o○)!?」

「……」

俺が想像していた人物と、そこから出てきた人物は違っていた。

サラ…?

彼女は俯いて突っ立ったまま、何も言わなかった。





私が茂みから覗くと…そこには、あのレンって人がいた。

彼はギターを抱え、気持ちよさそうに歌っていた。


何か…嬉しそうだな…

すると…

『出てきたら?』

「!!」

なんだ、気付いてたの…?

ま、彼なら…まだ話せるし…大丈夫かな。

そう思って、躊躇いつつ茂みから出て、彼の前に立った。

彼はすごく驚いた顔をしていて…

だから、私もつられて驚いちゃった。





「ぁ、あれ?ネロだったの?」

コクンと彼女は頷いた。

これは…チャンスじゃない?!

「もっと…こっちおいでよ♪」

俺が彼女に手招きすると…

「…いいの?」

彼女は疑うように聞いてきた。

「いいよw」

彼女が少し微笑んだように見えた。

彼女は俺の前に座ると、じっとギターを見つめてる。

「ギター…好き?」

「わからないわ。でも、その歌…良い」

「え?ホントに!嬉しい」

そんな事、言ってくれるとは思わなかった。

だから、正直すごく嬉しかったw

「ねぇ…」

「ん?」

「歌って?」

「ぇ…い、いいよ」

改めて言われると、すごく恥ずかしい…笑

でも、まぁ、歌ってみることにした。



♪〜♪〜♪〜



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