Painless
□19-power of music
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第19章 power of music
俺は最近、夜中にギターを持って外に出るようになった。
ネロ…いや、サラの記憶さえ戻れば、俺らは任務を遂行できる。
どうやったら…サラの記憶を取り戻せる?
俺はいつも通り、あの森へ行ってギターを弾いて歌っていた。
*
♪〜♪〜♪〜
また、聞こえるあの歌。
誰が歌ってるの…?
私はずっと気になっていた。
毎日聞こえるあの微かな歌声は、私の頭の中に染みついて離れない。
カタンッー
ベッドから降りて、開いている窓から外を見た。
「行って…みようかな」
ちょっとだけ…
こっそり覗いて見るだけ…
すぐ帰って来れば、平気よね?
窓から身をのりだして、外へ出た。
「……」
キリヒト様の命令以外で外に出たのは初めて。
外には出るなって言われてるけど…
ばれなきゃ大丈夫よね;;
私は、音のする森の方へ吸い寄せられるように向かった。
どんどん大きくなってくる歌声。
ドキドキしながら草の茂みに隠れる。
♪〜♪〜♪〜
*
誰かが近付いてくる…。
もしかして、フジ…か?
俺は気配に気付いていながら、歌い続けていた。
カサカサ…
何隠れてるんだろう?
普通に来ればいいのに(笑
なかなか出てこないから、ちょっと草陰に声をかけてみた。
「出てきたら?」
しかし…
「ぇっ?!Σ(●*O□o○)!?」
「……」
俺が想像していた人物と、そこから出てきた人物は違っていた。
サラ…?
彼女は俯いて突っ立ったまま、何も言わなかった。
*
私が茂みから覗くと…そこには、あのレンって人がいた。
彼はギターを抱え、気持ちよさそうに歌っていた。
何か…嬉しそうだな…
すると…
『出てきたら?』
「!!」
なんだ、気付いてたの…?
ま、彼なら…まだ話せるし…大丈夫かな。
そう思って、躊躇いつつ茂みから出て、彼の前に立った。
彼はすごく驚いた顔をしていて…
だから、私もつられて驚いちゃった。
*
「ぁ、あれ?ネロだったの?」
コクンと彼女は頷いた。
これは…チャンスじゃない?!
「もっと…こっちおいでよ♪」
俺が彼女に手招きすると…
「…いいの?」
彼女は疑うように聞いてきた。
「いいよw」
彼女が少し微笑んだように見えた。
彼女は俺の前に座ると、じっとギターを見つめてる。
「ギター…好き?」
「わからないわ。でも、その歌…良い」
「え?ホントに!嬉しい」
そんな事、言ってくれるとは思わなかった。
だから、正直すごく嬉しかったw
「ねぇ…」
「ん?」
「歌って?」
「ぇ…い、いいよ」
改めて言われると、すごく恥ずかしい…笑
でも、まぁ、歌ってみることにした。
♪〜♪〜♪〜
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