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□13-仕事の中の仕事
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第13章 仕事の中の仕事
「あぁ〜めんどくさ…」
ーここに来て初めての朝。
気持ち良く寝ていた所をフジに起こされた。
「早く起きんと初日から締められるで!!」
なんて言うから、渋々起きた。
身支度をしていると、ドンドンッとノックする音が聞こえて…
『雑用係っ!!』
「え?あ…はぃ」
『お前の今日の仕事は、庭の掃除だ』
「…へ?」
『キリヒト様の庭はもちろん、この敷地内の植物の手入れをしろ。道具はフジに聞いてくれ』
そう言って、見知らぬ男は出て行った。
「なんなんだ…あの人」
「あの人は、ジョンさんやで♪キリヒトさんの補佐&執事みたいなもんで、あぁ見えて結構優しくて良い人やねん」
「(あのゴツイ顔でか…)そ、そうなんだ」
「ほな、掃除道具があるとこ連れてったるなぁ(◎∀◎)」
食堂で朝食を摂った後、俺はフジについていった。
*
辿り着いたのは、研究所から外へ出た所の側にある倉庫。
「ここに掃除道具とか全部あるから」
「ねぇ…どうやってやればいいの?こんな広い敷地…」
「芝生んとこは、芝刈り機でやるねん。木は、切りそろえて形を整える!そこら辺の雑草は抜く!!それを今日一日で頑張ってやって、終わりやでw」
「(やでwって…)そんな無謀な(鬱」
「ほな、頑張ってなぁ!終わったらジョンさんに報告しに行くんやでー」
「えっ?!ちょっー…」
フジは逃げて、俺は独りぼっち。。。
仕方なく芝刈り機で芝生を整えて、それが終わると今度は植木の手入れ…。
ーで、今にいたる。
めんどくさくてたまらん…。何も情報がなぃ…。
と、その時。
ニャー…
足下を見ると、俺のズボンの裾を引っ張っている黒猫が一匹。
「…ニカ?」
黒猫はその場に座り、コクンと頷いた。
俺はこの屋敷に来る前にニカと、ある約束をしていた。
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