Painless
□12-ルームメイト
1ページ/5ページ
第12章 ルームメイト
「ここが、これからお前の暮らす部屋だ」
長い廊下の両側には、部屋のドアがぎっしりと並んでいた。
俺がキョロキョロと周りを見ている間に、部屋まで案内するように命令された男は、俺の立っている所より少し先の方で立ち止まり、そう言った。
俺は急いでそこまで行き、その部屋の中に入った。
「…2人部屋?」
「そうだ。もうそろそろ、この部屋の奴が来るから、中で待ってろ」
「はい」
「この屋敷の案内はそいつにしてもらう」
「わかりました」
俺の返事を聞くと、その男は部屋から出て行った。
ふぅ…なんとか侵入は成功したけど…ニカ、この場所分かるかなぁ?
てか、2人部屋じゃニカに情報を伝えられないじゃん…どうしよぅ。。。
ガチャ…
「き、君が新入りさん?」
そう言って、部屋に入ってきたのは、俺と同じくらいの年の男だった。
ちょっと気の弱そうな顔をして、俺を見ている。
「そうっす」
俺は軽くお辞儀をした。
一応相手は、ここでは先輩だし…。
「そ、そう。僕は、”フジ ”言うねん。これからよろしゅうm(_ _)m」
「えと…。俺は、カ、…レンです!よろしくお願いしますm(_ _)m;;」
「レン君な。僕のことはフジって呼んでくれてええから…」
「じゃぁ、俺のこともレンで…」
「これから一緒に暮らすんやから、敬語もなしでえぇよね?」
「あぁ…そうっすね。じゃぁ、敬語なしでいかせてもらいますね」
「おん(こ、この子めっちゃ積極的や…;僕…大丈夫やろか?)」
この人なら、ニカと隠れて会っても大丈夫そうだな。
俺がそんな事を考えていると、フジは床に転がっている本など片づけながら言った。
「今からこの屋敷を案内するから付いてきてな」
「うん。わかった」
一旦部屋を出て、フジの後に付いて、このややこしい屋敷の中を案内してもらうことになった。
.