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□12-ルームメイト
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第12章 ルームメイト


「ここが、これからお前の暮らす部屋だ」

長い廊下の両側には、部屋のドアがぎっしりと並んでいた。

俺がキョロキョロと周りを見ている間に、部屋まで案内するように命令された男は、俺の立っている所より少し先の方で立ち止まり、そう言った。

俺は急いでそこまで行き、その部屋の中に入った。

「…2人部屋?」

「そうだ。もうそろそろ、この部屋の奴が来るから、中で待ってろ」

「はい」

「この屋敷の案内はそいつにしてもらう」

「わかりました」

俺の返事を聞くと、その男は部屋から出て行った。


ふぅ…なんとか侵入は成功したけど…ニカ、この場所分かるかなぁ?

てか、2人部屋じゃニカに情報を伝えられないじゃん…どうしよぅ。。。


ガチャ…


「き、君が新入りさん?」

そう言って、部屋に入ってきたのは、俺と同じくらいの年の男だった。

ちょっと気の弱そうな顔をして、俺を見ている。

「そうっす」

俺は軽くお辞儀をした。

一応相手は、ここでは先輩だし…。

「そ、そう。僕は、”フジ ”言うねん。これからよろしゅうm(_ _)m」

「えと…。俺は、カ、…レンです!よろしくお願いしますm(_ _)m;;」

「レン君な。僕のことはフジって呼んでくれてええから…」

「じゃぁ、俺のこともレンで…」

「これから一緒に暮らすんやから、敬語もなしでえぇよね?」

「あぁ…そうっすね。じゃぁ、敬語なしでいかせてもらいますね」

「おん(こ、この子めっちゃ積極的や…;僕…大丈夫やろか?)」

この人なら、ニカと隠れて会っても大丈夫そうだな。

俺がそんな事を考えていると、フジは床に転がっている本など片づけながら言った。

「今からこの屋敷を案内するから付いてきてな」

「うん。わかった」

一旦部屋を出て、フジの後に付いて、このややこしい屋敷の中を案内してもらうことになった。

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