Painless
□11-NERO
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第11章 NERO
ここは…どこ…?
真っ暗な部屋の中、私は何もすることなく立っていた。
ドアの小窓からオレンジ色の何かが見える。
なに……?
気になってドアを開けると…そこには
燃え上がる炎と、逃げまどう人々、そしてそれを追いかける黒装束の人たち。
そして…
「○○ーーっ!!!」
こっちを向いて誰かの名前を叫んでる人が殺される瞬間。
私の熱くなっていた身体は、それを見た瞬間に、すーっと冷えていった。
頭が真っ白になった。
息ができない。
声が…出ない。。。
そして
何も見えなくなった。
*
「ーっ!!!……はぁ…はぁ…」
また変な夢を見た。
この前と同じ夢。
そして、この激しい頭痛で目を覚ますのも…何回目だろうか。。。
「……ロッ!!」
誰かがドアをガンガン叩いてる。
頭痛で少しフラフラしながらドアに向かい、開けた。
「ネロッ!!どれだけ呼んだと思っているっ!!」
「…すみません」
「キリヒト様がお呼びだ。付いて来いっ!」
「…はぃ」
下っ端なくせに…
そう心の中で愚痴って、私は前をズンズンと歩いていく、その下っ端に付いて歩く。
…あの夢、なんなんだろう
その夢を見る前までは、夢なんて見なかったのに…
バシッ!!!
「っ…」
「何してる…早く歩け!」
頬を叩かれて、我に返った。
イタイ…
もう、夢なんかどうでもいいや
今はキリヒト様が呼んでるんだから…
無理矢理忘れようとして歩いていたら、いつの間にかキリヒト様の前まで来ていた。
「おぉ、ネロ。やっと来たか」
「はい。キリヒト様、お呼びでしょうか」
「今から、こいつの相手をしてやれ」
「……」
キリヒト様が顎で差した方を見ると、ボロボロの服を着た男が立っていた。
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