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□04-内容の濃い1日
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第4章 内容の濃い1日
武器屋を出て、もらった拳銃をベルトに挟む。
反対側には、預けていた愛刀が差さっている。
やっぱりコイツがいないと落ち着かないなぁ…
俺は、改めて愛刀の大切さを実感した。
涼しい風と商店街の人々の声が包み込む。
「よし!帰ろう」
俺はそう呟いて、足を進めた。
先ほどの楽器屋の前を通り過ぎ、ここに来た道と同じ道を通って帰る。
しかし、来た道を戻るという事は…
キリヒトが入って行った小麦粉専門店の前を通らなければならない。
「…」
俺は、小麦粉専門店の道にさしかかる前で立ち止まった。
ふぅ…どうか絡まりませんように(>人<)
そう心の中で祈って、また歩き始めた。
店の中の様子を横目でちらちら見ながら、着々と店の前を通り過ぎる。
そこで、俺が見たものは想像以上にひどいものだった。
小麦粉専門店の主人はキリヒトたちに囲まれていて…
店の床には所々に血の痕がある。
おそらく、頑固な主人がキリヒトたちに反抗したのだろう。
いかつい男たちの真ん中で、ボコボコにされて倒れている主人と
それに寄り添って泣く妻がいた。
「お願いします!助けてください…っ」
そんな妻の声が、店の前を通り過ぎた後も聞こえてくる。
…もぅ、終わりだ。助けようにも場所が悪すぎる…
情けない思いでいっぱいだったが、そのまま歩き続けた。
小麦粉専門店から少し行った所にCDショップがある。
人気歌手の歌が、その店から聞こえてきた。
さっきの雰囲気とは一転して、とても賑やかだ。
このCDショップは、この地区の中で一番大きいとされ、客もたくさんいる。
俺は店の中に入らず、大きなウィンドウを覗いた。
そこには、人気のCDと共にCDプレイヤーやMDプレイヤーが綺麗に並べられていた。
「おっ!」
俺はあるものを見つけると、ウィンドウに手をついてじっと見つめた。
「この前壊れちゃったし…ちょうどいいや♪」
そう呟きながら、飾られているCDプレーヤーを見る。
「〜♪〜♪…」
どれにしよっかなぁ…
…ん?
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