タイムリミット

□Act 3.Have a nice day
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Act 3. Have a nice day 01



コンコンッ

「伊織ー、朝だょー起きてるー?」

伊「…」

ドアの外から声をかけたけど返事がなぃ。

「どぅしょぅ…」

香「何してん?」

「あ、香、ちゃん。伊織が起きてこなくて…」

香「んなもん、無理矢理起こしぃや」

そぅ言って、香ちゃんは急いで家を出て行った。

冷たいなぁ(汗

まぁ、伊織なら許してくれるょね?

「伊織ー?入るょー??」

私はドアを開けて、伊織の部屋の中へ…

「ぅわぁ…」

伊織の部屋の中は、すごぃ世界だった。

そこらじゅうに写真が貼ってある。

床にもアルバムやファイル、写真がたくさん散らばっていた。

「すごぃ…写真ばっかだ」

ベッドを見ると、伊織がすやすや眠っている。

寝顔可愛いな(笑

「いおりー起きてー」

呼び掛けたけど…まだ起きない。

大変なんだなぁ、写真家のたまごも。

「伊織ー!仕事いかなくていぃのー?」

伊織の体を揺さぶって叫んでみた。

伊「んー……り、りつかっ?!」

なんかビックリしてる。

「うん、律夏だょ(笑。おはょ。もぅみんな行っちゃったょ?」

伊「お、おはょ…って今何時?!」

「え、も、もうすぐ10時になるけど…」

ガバッ!!

伊「起こしてくれてありがと!!」

伊織はそう言うと、部屋から大急ぎで出て行った。

だ、大丈夫かな…

ご飯をかきこんで、洗面所で身なりを整えて、あっという間に

伊「行って来ます!!」

「い、いってらっしゃぃ…」

出て行っちゃった。

もっと早く起こせばよかったかな…?

私も伊織の動きが速すぎて、追いつけなかったし(笑。



お昼すぎ、リビングの掃除をしていると…

ヴヴヴヴ…ヴヴヴヴ…

「…?なんだろ??」

音のする方へ行くと、誰かの携帯がバイブしていた。

「…誰のだろう」

私が悩んでいると、

?「ただいまーっ!!」

「え?!歩??学校終わるの、今日は早いんだね」

ちょっとビックリしたけど、歩が帰ってきて安心した。

歩「水曜は、帰り早いねんw…それ、伊織の携帯やん、どないしたん??」

「あ、やっぱり伊織の?今日寝坊しちゃって急いでたから忘れてったのかも…(苦笑」

私が苦笑して言うと、歩は何かひらめいたように私を見た。

歩「もー…しゃーなぃなぁ!僕らで届けに行こか★」

歩はニッコリ笑った。

「伊織の仕事場が見られるね★」

私もうれしくて笑顔で答えた。

私達はすぐ出かける支度をして家を出た。

電車に乗る。

「…」

歩「電車、乗ったことなぃん??」

「うん、私の記憶の中にはなぃ、かな…」

歩「怖い?」

「だ、大丈夫(汗」

電車というモノを覚えてはいなかった。

乗った感覚も、まるで初めて…

今までなら、何かしら感覚ですぐに思い出せたのに…

歩「律夏?ほんまに大丈夫なん?!」

「大丈夫大丈夫(笑」

歩「そか。もぅ降りるし(笑」

次の駅で降りると、人がたくさん…

「人…多いね…」

歩「ちょっと都会に近いからなぁ★賑やかゃん(笑」

「こんな所に伊織の仕事する場所があるの?」

歩「せゃでーvV結構伊織もえぇとこに弟子入りさせてもらってんねんで★」

「伊織すごぃんだね♪」

駅から歩いて、目的地まで向かった。

スタジオは結構大きかった。

「…」

歩「何ポカーンてしとんの(笑。行くでぇ♪」

「えっ、あっちょっと待ってょ!」

歩は私の手をひいて、堂々とスタジオに入って行った。

歩「失礼しまぁす。あっ!市村さんや!!」

歩が大声で言うと、市村さんと呼ばれたおじさんが振り向いた。

市村「おっ!!歩くんじゃないか!!どうした??伊織呼ぶか??」

歩「おん!伊織お願いしまーす♪」

市村「お〜い、伊織!!歩くんと…あれ?そっちのかわいいお嬢ちゃんは、歩くんの彼女かい??」

「こんにちは」

歩「おん!そうやn」

伊「ちがーう!!違いますからね、市村さん!!この子は、律夏。僕らの新しい家族ですから!!歩の彼女なんかじゃありませんから!!」

市村「そ、そうか(苦笑。まぁ、よろしくな、律夏ちゃん」

「よろしくお願いしますw」

歩「もーなんやねん。そんな否定せんでも…」

伊「するわ!!」

歩「せーっかく、律夏と一緒に携帯届けに来てあげたんに…ぶー…」

伊「えっ!?そうなの?わざわざありがと、律夏!!携帯なくて困ってたんだぁ」

「ふふ、どういたしましてw」

歩「なんで、僕にはお礼言ってくれへんの??」

伊「あ、歩もありがと(笑」

市村「よかったな、伊織。それに、あのむさ苦しい男4人にやっと紅一点か(笑」

伊「はは!そうなんですよー」

歩「律夏は、大事な家族やねんw」

市村「そぅかそぅか。なら、今度5人でスタジオ来な!新しい家族写真撮ってやるから(笑」

伊「ほんとですか?!ありかとぅござぃます!!」

歩「やったぁ★おぉきに!じゃぁ今度、香ちゃんと和くんも連れてスタジオ来るなぁvV」

「お願いします★」



また、みんなが暇な時に家族写真を撮りにくることになった。

すごく楽しみ♪


その後は、伊織の仕事場を少し見学してから、また歩と一緒に家に帰った。

歩「今度は僕のバイト先にも遊びに来てなぁvV」

「ぅん、行きたぃ♪」



その日はずっと伊織と歩が言ってくれた”家族”と言う言葉が嬉しすぎて離れなかった。


香「…お前、なんか良いことでもあったん?」

「んー?何でもなぃょーvV」

香「?」




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