タイムリミット
□Act 2. Brand new day
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Act 2. Brand new day 04
ピチチチ…
私は小鳥の鳴き声で目を覚ました。
「えっと…」
此処は…そうだ、私は家事をする代わりに4人に拾ってもらったんだった!
…家事、?
「あーー!」
今何時かと思って、壁にある時計を見ると
「8時半…」
寝坊した…朝ご飯作らなきゃ!!
そう思って、着替えずに急いで1階へ降りていくと…
歩「お!律夏やーwおはよう!&いってきまーす!!」
伊「おはよ♪じゃぁ、行って来まーすw」
和「歩、伊織、途中までおくってやるよ!車乗れ!あ、律夏おはよう♪留守番よろしく!!」
「えっ?!あ、おはよう、と、いってらっしゃーい…」
ドタバタと騒々しく玄関から飛び出して行った3人。
「…朝ご飯、よかったのかな?」
そう思いながら、リビングに行くと誰もいない。
…あれ?香ちゃん、は?
キッチンを見ると、どうやら3人は軽い朝食を摂ったみたいで、お皿が3枚、流しに放り込んであった。
昨日、キッチンは少し片づけたはずなのに、なんかまた少し散らかっている。
「流石、男の子だな…」
そんなことを思いながら、部屋を見回した。
「よし!今日は、掃除しよw」
なぜか、料理も掃除の仕方も覚えている。
私、家政婦でもしてたのかな?ってくらい。
キッチンを隅から隅まで片づけて、拭いてまわった。
お皿も綺麗に大きさ順や種類順に並べ直して…
「ふぅ…キッチンはOKかな?」
達成感に嬉しくなった。
そこに、
香「ん…、もう昼前なん、?」
香ちゃんが起きてきた。
「あ、おはよ…ぅございます」
まだ、正直香ちゃんの事は怖い、、、。
香「なんで、敬語なん?俺、そんな怖いか?」
「ま、まぁ…」
私がそう答えると、彼はふっと笑った。
あ、笑うんだ。て、思っちゃった。
香「敬語やなくてええし、俺いつもこんなんやねん、せやから、これに慣れてや」
その瞬間、香ちゃんの笑顔は、すごく綺麗だと思った。
「うん、わかった!」
私もニッコリ答えると、香ちゃんは目線をそらすようにキッチンの方へ。
香「キッチン…むっちゃ綺麗んなっとる!」
ピカピカになったキッチンにビックリしてた。
そういえば…
「香ちゃんは…今日は予定とかないの?他の3人は、どっか行っちゃったけど…」
香ちゃんは、冷蔵庫から水を取り出して…がぶ飲み…(それ、みんなで飲むのでしょ?)
香「俺は今日は休みや。和は会社、伊織も働いとる、歩は大学…そこに、ボードがあるやろ?それぞれ予定書きこんであるから、それ見るとええ」
香ちゃんが指さした所には、スケジュールボードが。
香「和くんは、結構いいとこの会社で働いてんねん。ちなみに、和くんの両親は、海外で働いとる。伊織は名古屋から、俺と歩は大阪から上京してきて、此処に住まわせてもらっとるわけや。俺ら、遠い親戚みたいなもんやしな」
「そうなんだ。香ちゃんも大学生?」
香「そうやで。歩と一緒のとこ。でも、学科が違うけどな」
「歩と香ちゃんは仲良しなのねw」
香「まぁ、アイツとは幼馴染みでずっと一緒やったからな。そら、仲良くもなるやろ」
歩の話としてる香ちゃんは、優しい目をしてた。
「伊織は?何の仕事してるの?」
香「写真家のたまご」
「写真家?」
香「伊織が帰ってきたら、伊織の部屋尋ねてみ?部屋ん中すごいから(笑」
「ふふ、楽しみ♪」
私が笑っていると、香ちゃんの視線を痛いほど感じた。
「…どうかした?」
私が恐る恐る聞くと、
香「…えっと、あ、そや、コレお前のやない?」
香ちゃんがポケットから取り出して見せたのは、昨日の夜、お風呂で気づいた白い腕時計。
「あ、うん。私の、ありがとうwお風呂に置きっぱなしだった」
香「その時計には見覚えあるん?」
「ううん、ない」
香「そか…ちゅーか、なんでまだパジャマなん?」
香ちゃんがニヤッと笑って言った。
「え?!あ、着替えるの忘れてたっ…着替えてくる!!」
私は急いで2階へ行き、着替えた。
また、1階へ降りてくると、おいしそうな香り。
キッチンを覗くと、香ちゃんがパスタを作ってくれていた。
香「腹減った、食うで」
そういって、私の分まで作ってくれて…
一緒に食べた。
最初は怖かったのに、今はだいぶ慣れた。
きっと香ちゃんも気を遣ってくれたんだね。
ありがとう
香「俺、この後ちょっと出かけてくるから」
「うん。わかった」
私は、香ちゃんが出かけた後リビングを片づけ始めた。
香ちゃんとの距離が少し縮んだ気がした。