短編
□負けでもいいか
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『ねぇねぇ、イタリア語教えて』
「あぁ?なんだぁいきなり?」
『だってさぁ、ボスとかベルとかたまにイタリア語でわざと、わかんないように話したりすんだもん』
「…」
『いいじゃん。減るもんじゃぁないし!』
「…」
『ねぇ?!』
「…じゃぁ、一つだけだぁ」
『なんで一つだけ??!』
「Ti amo」
『ん?』
「言ってみろぉ…Ti amo」
『…Tiamo?』
「…こっちむいて言ってみろぉ?」
『…、さきに意味教えてよ…』
「…もう一回言ったら教えてやる」
『Tiamo?』
「…Tiamoの意味はなぁ…日本語にすると、“君をアイシテル”だぁ…」
ニヤリと口の端が上がった 。
顔が一気に熱くなる。
『スクアーロのあほぉっ』
「あぁ?なんだぁ?嘘じゃねぇんだからいいだろぉ?」
なんだその自信は…
…まぁ、ほんとだけどさ…
『…スクアーロ』
「なんだぁ?」
『Ti amo』
赤くなったスクアーロを見て、しかえししてやったと思う。
それなのに…
「俺もだぁ」
『え』
そんな嬉しいこと返してくるからさ…
あたしの負けみたいじゃん
end