時代物系 小説

□『永遠ノ森神社』
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だが、その神社がある河崎村では、おかしな現象が起き始めた。



事の始まりは、野良犬や猫が無惨な姿で殺されていた事だった。村の人々は、きっと狼や熊の仕業だろうと、そう考え、見張りをしたり、畑や田に入れないように工夫もした。



しばらくの間、そんな事も起きない日々が続いたが、忘れた頃に今度は山羊、牛、鶏が同じく無惨な姿で殺され始めた。



いずれも、生活をする為、仕事をする為に飼われていたもので、被害は少なくてもやりきれない。


その後、見張りをつけたものの、誰がしたのかはわからず、探している間にも殺されていく。



以前と比べると、対象は大きくなり、いずれ人間にまで及ぶのではないか、そう誰もが心配し、戸締まりを厳重にするようになった。



そして、その被害が落ち着いた頃。



誰もが利用する、村の西側を通っている浅瀬の川で、男性がうつ伏せの姿のまま、息絶えているのを、朝早くに野菜を洗いに来た、うどん屋で働いている女性が発見したのである。



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