ファンタジー系 小説

□『ココニキテ』
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 本名は書いていなくても個人の情報を掲示板に書くのは、とても危険だと思った私は


“―― と思うので出来れば掲示板ではなくて、拍手又はメールフォームに書く方が安全かもしれません。”


 と注意を促すように返信をした。
 でも、出来れば個人の情報は会った事もない人に話したくないので、遠まわしにそんな事も書いてみたけど


“そうですよね。頻繁に掲示板で話していると、まるでメールのやりとりをしているかのような錯覚を起こしてしまって。

迷惑をかけていましたらすみません!以後、気をつけます!


ところで以前、プロフィールに書いてあったのですが、家の近くに立派な郵便局がありませんか?

実は大学生の頃、冬にその郵便局でバイトをした事があるんですよ。
年末年始だけですが。


そこでバイトをした事がありますか?
僕はその時の給料で以前から欲しかった、辞典を買いました!


その辞典の話は今度、お話しますね。”


 という返信が書いてあって、あんまり伝わってなかったのかなと思った。
 プロフィールには住んでいる都市名は書いていたけど、郵便局まで書いてなかったのに…… と考えると怖くなる。
 ほんの少しの情報で住所がわかるかもしれないと思うと、怖くなってプロフィールに書いていた住所を削除した。


 楽しく交流できるのは嬉しいけど、だけどあからさまに詳しく書いてくるのは困ってしまう。
 だけど、それは今回だけの事ではなかったのだった。


 その後も掲示板でお話は続いていたけど、たまに気を遣ってメールフォームや拍手に書いてくる時もあった。
 それはやっぱり郵便局や家の近くにあるデパートや博物館の話で、都市名しか書いてなかったのにと思うと、どうしてわかったんだろうと不思議で仕方なかった。


 そのメールフォームや拍手に書いてある内容は、次第により具体的になっていくのに時間はかからなかった。
 以前の掲示板には確かに“会って話す事が出来たら楽しそう…… ” と書いてあったけど、だからといってそれに頷いた訳ではなかったのに。



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