ファンタジー系 小説

□『 Album 』
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その途端、胸がぎゅうと締め付けられるような思いと、顔が熱くなったのを感じて、もしかしたら高校生に戻っているんじゃないか、そう思った。


そうでなければ、先生だって気づくはずだ。妙齢な女性が、セーラー服を着て学校にいたら、おかしいと思うだろう。



とりあえずここは、先生に合わせてと思いながら


「二枚、ちゃんと入っていますよ」



と返事をする。と同時に先生からレコードを貸し借りしていた事を思い出した。確か好きなアーティストが似ていて、話も合い、放課後になると、こうして人がいなくなった教室の前で、紙袋を渡していた事を。



きっかけは、定期を忘れて学校に戻った日。バス停まで歩いて二十分かけて行ったのに、定期がない事に気づき、一緒に探すという友達には悪いからと断り、急ぎ足で学校へ向かった。



教室で定期を探している私に、教科書を取りに来た副担が



「忘れ物か?」



と声をかけらたのが、全ての始まりだったと、思い出した。



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