ファンタジー系 小説

□『死神』
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 大学の講義が終わると私、柳原早紀は高校からの友達、細田詩織を誘って街に買い物に来ていた。大学から街まで、バスで五分。
 私達は買い物をしたり書店に行った後、ファーストフード店に寄って詩織の話を聞く事が多い。


「それじゃ、またね」



 辺りは暗くなりかけ携帯を開いて見ると、午後七時を過ぎていた。
 いくら七月に入ったからとはいえ、この時間になるとさすがに薄暗くなる。詩織は



「うん。それじゃ月曜に会おうね。また、彼氏の相談するかも」



 そう返事をすると、バス停へと歩いて行った。 いつもだったらもう少し街にいるけど、今日は何故か気分がのらない。 買い物をしていても、頭の片隅に何かが魚の骨のように引っかかっているようで、落ち着かなかった。



 地下鉄で十分。駅から歩いて十分の一戸建ての家まで、夜風を受けながら歩いて行く。
 夜は幾分、涼しいけど風がなかったら今より暑いのは確実だった。



 それにしても今夜は、何となく風が心地よくなくて、体にまとわりつくように感じられた。
 じめじめしているようで、嫌でも雨の心配をしていまう。



 そんな事を考えながら歩いて、家が見えて来ると違和感を感じた。
 いつもどうりの道なのに、いつもどうりに家はそこにあるのに何かが違う。



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