短編小説

□『 Photo 』
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俺がまだ中3だった頃、2年の時に同じクラスになった宮崎 紗希は、特別に目立っていたわけでも、可愛かったわけでも、背が高かったわけでもなく、その他大勢の一人に過ぎなかった。


明るく、友達数人と大きい声で話しているグループの中にいて、話すよりも聞き役だった紗希は、どちらかというと、大人しくて、目立たなかったから、隣の席になるまでは、名前すら覚えてなかった。


席替えをして、周りに仲のいい友達がいなかったから、自然と紗希と話すようになって、たまたまゲームの話をしたら、同じくオンラインゲームをしていると聞いて、同じ日、同じ時間にしようと誘うと、その日の夜、紗希はやって来た。それからは、よくオンラインゲームで遊ぶようになった。


話すのとゲームをするのとでは違って、見た感じからは想像出来ないくらい大胆で、頼りになって、そのギャップが面白くて、学校でもいろいろ話すようになっていった。

紗希と話すと、真面目で優しくて、そして機転が早く、かゆい所に手が届く感じで居心地がいい。

そして、修学旅行の時には偶然、同じ班になって、様々な事を決めたり、相談していくうちに、段々紗希への思いは大きくなっていって、修学旅行の最後の日に、生まれて初めて自分から告白したのを、2年が過ぎた今でも、覚えている。
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