時代物系 小説
□『 願ひ 』
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私の大切な
あの方が
心変わりを
されたのか
他にいい人を
見つけられたのか
会いに
来なくなりました
逢瀬を
心待ちに
していましたのに
私の心は
涙で
満たされて
おります
来ないと
わかっていても
どうしても
私のもとに
引き止めたいのです
桜咲く季節
ですので
桜の花よ
思うさま
舞い散って
くださいまし
私から
去っていく
あの人に
道が
わからぬように
先が
見えぬように
嵐のように
散り乱れて
ほしいのです
しひて行く
人をとどめよ
桜花
いづれを道と
迷ふまでちれ
(読み人知らず)
20090404
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