時代物系 小説

□『 願ひ 』
1ページ/2ページ

私の大切な
あの方が
心変わりを
されたのか
他にいい人を
見つけられたのか
会いに
来なくなりました


逢瀬を
心待ちに
していましたのに
私の心は
涙で
満たされて
おります


来ないと
わかっていても
どうしても
私のもとに
引き止めたいのです


桜咲く季節
ですので
桜の花よ
思うさま
舞い散って
くださいまし


私から
去っていく
あの人に
道が
わからぬように


先が
見えぬように
嵐のように
散り乱れて
ほしいのです



しひて行く
人をとどめよ
桜花
いづれを道と
迷ふまでちれ


(読み人知らず)



20090404



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ