時代物系 小説

□『散らぬ想ひ』
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人づてに
幾度も聞いた
あの人に
我を見てはくれぬか
月の夜


琵琶を持ち
あの人への
想いを
綴るように


雷が鳴る
雨の日も
花びらが散る
風の日も


そんな想いを
あの人は
知っているのか
知らぬのか


御簾越しでしか
言葉を交わせぬ
あの場所へ


今宵も我は
足を運ぶ



しのぶれど
色に出でにけり
わが恋は
ものや思うと
人の問ふまで
(捨還集)



20090402



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