ファンタジー系 小説

□『 Album 』
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季節の変わり目に、居間の隣の部屋の、押し入れを開けて、夏物が入っているボックスを取り出し箪笥に入っている冬物と交換していた。



夏が来る前の季節は、雨の日が多くなり、今日も朝からしとしと、雨が降っている。半袖を着ていても蒸し暑く感じられ、額にはじんわりと汗をかいていた。



夏物のボックスは三つあり、その中に家族の服や帽子、水着も入っている。それらを一つ一つ眺め畳み直してから箪笥に入れるだけなのに、汗をかくなんてと溜め息が漏れた。



そのボックスから自分のカットソーを取り出した時、茶色の紙袋を見つけ、手に取る。



こんなのあったかなと思いながら、中を開けるとそこには高校の頃、大好きでよく聞いていた外国のアーティストのアルバムレコードが入っていた。



アルバムは二枚入っていて、友達と交換して借りていた事を思い出す。そして、返す時には便せんやレポート用紙に感想と手紙を書いて、入れていたと思い返すと、懐かしくなった。



その紙袋にも手紙が入っていて、誰からの手紙だろうと、開けて読んでみるとーーーーーーー



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