ファンタジー系 小説

□『ココニキテ』
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 三十八度も熱が上がり次の日に学校を休んで、小さい頃からお世話になっている耳鼻咽喉科へ行って来た。
 風邪なのかインフルエンザなのかわからなくて問診の後、すぐに隔離室て待つ事になった。


 検査の結果ただの風邪で安心したけど、それでも体がだるくて家に着くとお粥を食べて、すぐに薬を飲んでベッドに入る。
 祐一さんのメールはきっとないと思うものの、それでもどこか気になっていた。
 もう関わらないでおこう、返信もしないと決めたのに。
 だけど、どうしてあんなメールを書いてきたのか、気になって仕方なかった。
 でも薬を飲んだせいか眠くて何も出来なくなり、いつの間にかそのまま寝ていたのだった。


 そして熱が完全に下がった二日後の朝に、久しぶりに携帯を触り自分のサイトのメールフォームを見てみると…… 。
 そこには、見た事もない名前と一緒に長い文章が書いてあった。
 一体誰だろう、と思いながら読み始める。
 文章の始まりは“初めまして”になっていた。











“初めまして。いきなりのメールをお許し下さい。というのも、どうしても伝えたい事がありましたので、失礼かと思いましたが送らせて頂きました。


まずは“祐一”という名前をご存知でしょうか?そちらのHPにお邪魔して、掲示板等でお話をしていた祐一です。


その節は仲良くしてくださり、ありがとうございました。祐一も話をするのを、とても楽しみにしていました。


どうしてこの事がわかったのかといいますと、祐一の携帯やパソコンにそちらのサイトに訪問していた形跡が残っていたからです。


ですが最近は祐一からの連絡がなくて、もしかしたら心配しているかもしれない、連絡を待っているかもしれないと思い、余計な事かと思いましたがメールを送らせて頂きました。


ここまで書いておいて自己紹介をまだ、していない事に気づきました。大変、失礼いたしました。私の名前は―― 。”



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