ファンタジー系 小説
□『ココニキテ』
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そんな祐一さんといろいろ話していたけど、最初は楽しかったはずなのに今ではそうでもなくなっていた。
というより、祐一さんのサイトでの書き込みをしなくなった。
普通に話すだけなら楽しかったのに最近は掲示板ではなくて、メールフォームのみになっている。
そして休みの日に会いたいとか、もし会うなら祐一さんの家と私の家のちょうど中間地点がいいとか、仮に遊びに行くとしたらどこがいいとか聞いてきて、返信をするのにもためらってしまう。 だけど返信をしないまま三日が過ぎると
“―― どうしたの?
風邪でもひいたのかな?家が近ければお見舞いに行けるのに、残念だよ。
僕でよければ暖めてあげるのに。なんてね(笑)
体調が悪い時は暖かくしてゆっくり休むのが一番だよ。
元気になったら、連絡してくれると嬉しいな。
それからもし気が向いたら、ここに来てくれるかな。僕はダークブラウンのコートを着て、文庫本を持っているから。”
というメールが届いた。最初は敬語だったのに今ではタメ口になって、すっかり友達と思っているような文章に疑問を感じた。
というより会いたがっている事がわかると、怖く感じた。
確かにサイトで知り合って掲示板でお話をして仲良くなる時もあるけど、そんな感じとはどこか違う気がする。
いや、違うと思った。
会いたいと書いた事もないのにどうしてあんな事を書いてくるのかわからない。
それに来るかどうかわからない私を待っていると考えたら、もう掲示板で話さない方がいいと思えた。
それともただ、からかわれているのだろうか。 又は知らないうちに、何か書いていたのだろうか。
そう考えていたら本当に熱が上がってきて、座っていられなくなった。 次第に頭痛までしてきて、その日の夜は軽くうどんを食べてから薬を飲んで、すぐにベッドに入ったのだった。
学校でインフルエンザや風邪が流行っているから、もしかしたら隣の席の男子の風邪をもらったのかもしれない。
咳をしていたし、友達に喉が痛いと話していた事を思い出すと、やっぱりうつったかなと思う。
だけどメールが入っている事に気づいたのは、二日後の事になる。
何故なら熱が下がるまで、携帯を触っていなかったからだった。
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