短編小説
□『いつも側に』
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「くそっ!一体どこにいるんだ!」
そう言い、煙草に火を点けたその時、かなりの衝撃があり、次に車体が転がっているのがわかった。まさか、事故か?と考えたところで思考は止まった。
* * *
「大変だったわねぇ、落ち着いた?」
そう私に聞いてきたのは、姉だった。仕事中に会社に電話が入り、話を聞いて驚き、すぐに車を走らせた。
「よほど側にいたかったんだよ。でもねぇ……。」
何がどうなったのか、どうしてこんな事になったのかわからず、慌てて車を走らせた。
「……もう、話さないでよ。」
そう姉に言うと、それを聞いて深いため息をつく。と同時に、私もため息が出た。
私の行方を探して、あちこちを見ている時に事故を起こして、そのまま亡くなったと、彼の友達から聞いて信じられなかった。
私は彼の癖や口調、何より性格が合わないと気づいてから、嫌いになり、我慢出来なくなって家を出た。
だけど、その私を探して事故に合って、最初に運ばれた病院では手当てが出来ないからと、移された病院が私のアパートの目の前だったという偶然に、怖くなると同時に自然と体が震えて、寒気が襲ってきたのだった。
* * *