お題小説
□短編3
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小説「捻くれ彼氏×ニーソ彼女」C
知佳の家に時々とまりに来る同級生の早苗さんとは、仲が良いと聞いていた。
この間も家に着いてから『ただいま帰りましたよ』と知佳にLINEを送ると、早苗さんが泊まりに来ていると返信があった。
出掛けている時や友達と会っている時はLINEの返信は遅くなるが、この日は早いねと聞くと
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年上の彼氏と付き合っていると知って、いろいろ聞かれて困っていたから助かった。ありがとう。
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という返信が届いて、思わずどんな事を聞かれたのかと返信を送る。
早苗さんにも彼氏がいて付き合っていると聞いたから、わざわざ聞く事でもないと思っての事だった。
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だってさっちゃんの彼氏は18歳で高校3年だから、私達とは付き合い方も遊び方も違うんじゃないかな。
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という返信が届いて驚いた。彼氏がいるとだけ聞いてたから、相手が学生で年下だという事はわからなかった。
寺尾良太、18歳。早苗さんの弟の友達の友達で家に遊びに来ていた時、早苗さんを初めて見て一目惚れをして早苗さんの弟に連絡先を何度も聞いたという話をLINEで読んで納得した。
彼氏が年下だから8歳年上の人と付き合っている知佳に、どんな付き合い方をしているのか聞きたいのだろう。
だが相手がどんな年齢でも2人だけの過ごし方があるし、それは人の数だけあると思う。
だから難しく考える事はなく
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私は私、あなたはあなたです。
お互いにその事を頭に入れて時間を過ごしているのに、それを教える必要はないですよ。
教えたいというのなら話は別ですが。
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そう返信を送るとわかってくれたのか『了解しました。おやすみなさい。』という返信が届いて安心したものの、やりとりができなくなった事を淋しく思った。
好きな相手と繋がると会っている時、連絡をとっている時は幸せな時間を過ごせるが別れた後、終わった後はその何倍も淋しく感じる。
それは淋しがりやだからなのかわからないが、おそらく知佳だからなのだろう。
だからといって知佳にその事を伝えるつもりはないが、淋しくて仕方なくて我慢ができなくなった時は電話をするようになった。
以前の私にしてみれば考えられない事だが、そこまでできるようになったのは受け入れてくれる知佳のおかげだと思わなくもない。
今まで付き合った元カノには面白くない、真面目すぎる、おとなしいと言われてきたが知佳はそういう事は言った事がなかった。
捻くれて素直になれない私に時々、苛々して喧嘩になる事もあるが翌日には私から謝る事で仲直りできたし、それで責められる事もない。
今まで付き合った元カノの誰よりも大切で愛しくて大事にしたくて、どんな言葉でも表現できないくらいに彼女を愛している。
だからこそ常に時間が許す限り一緒にいたいし、会っても会ってもきりがなくてもっと2人の時間を持ちたいと思う。
食事をして知佳が食器を洗っている間にコーヒーを淹れて、デッキに借りてきたDVDをセットしてソファーに座る。
レースがあしらわれた上着に大きめのショートパンツのようなパジャマに着替えた知佳は、お風呂から出たばかりで甘い香りがした。
スウィーツのような香りのする知佳の後ろに座り肩を抱いて映画を見る事が、たまらなく好きな時間だった。
時には耳や首筋に唇を寄せたり頭を撫でたりしながら映画を見るから、たまに内容がわからなくなるが気にした事はない。
そんな過ごし方をしていると知佳も少しずつ慣れてきて、ちょっとの事では嫌がらなくなり視線は画面に釘付けのまま軽くあしらわれたりする。
そうされると面白くなくてどうにかしてこちらを向かせようと、頬に唇に唇を寄せて顎に手をそえるとやっと知佳は私を抱き締めた。
これではどちらが年上かわからないと思うかもしれないが、知佳を振り向かせようと思えばいくらでも方法はある。
だがそれをするとフェアじゃないとか何か言われそうだからしないだけで、知佳がもう少し大人になった時の為に残しておくつもりだ。
さて、甘えてきた知佳にこの後どうするか、いや、どうしたいのかを聞くのも悪くないと思いながら、ゆっくり唇に唇を近付けたのだった。
続
20151017
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