企画

□結婚式
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新婦控え室──



「〜〜〜っ綺麗!本当に綺麗だよ!聖!!」

「あ、ありがと。章樹‥」



もうドレスを着てしまい、美しく着飾っているため、抱きつこうにも抱きつけない章樹は、ガシッと聖の両手を掴んで爛々とした瞳で力説する。



「これなら、篁さん今まで以上に聖にメロメロよ!!」

「メロメロって‥‥」



なんだか花嫁本人より燃えて?いる章樹に、若干引く聖。それ程までに、今日は壊れていた。何気に酷い。



「やっぱりこれにして正解だったね、聖ちゃん」

「楓華(フウカ)さん‥‥」


優しげな微笑みを浮かべている彼女は、橘楓華。聖の姉のような存在だ。



「篁兄様、絶対惚れ直すよ」

「ふ、楓華さん!」

「ですよね!こんなに綺麗になったし。流石楓華さん。ドレスのデザインに、メイクなんてスゴいですよ!」

「聖ちゃんだけだよ。メイクアップまでするのは。本業は、ただのデザイナー」



頬を朱く染める聖に、くらっときながらも章樹は楓華を褒める。彼女が、聖をここまで美しく仕上げたからだ。



「でも‥‥いいんですか?篁のこと、前」

「いいの。だって、前世のことは前世なんだもの。現在(イマ)は現在(イマ)。例え前世の記憶があるからといって、その時の恋人と絶対に結ばれなきゃいけないって訳じゃないでしょう?それに、現在(イマ)の私には透琉(トオル)さんがいるし」

「惚気だ〜〜。独り身の私には辛いッス」



楓華の言葉に、聖が何か言おうとする前に章樹が茶化して空気を和ませる。



「章樹‥‥」

「ほーら、花嫁がそんな顔しないの」

「そうだよ。篁兄様が心配しちゃう。そんな顔させたのが私達ってバレたら篁兄様の雷落ちてくるよ」

「それはイヤだなぁ〜」

「‥‥‥ありがとう、2人とも」

「「どういたしまして」」



笑顔を浮かべて2人の手を握った聖に、笑顔を返して握り返す。





もうすぐ、式が始まる。





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