企画
□結婚式
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初夏のある晴れた吉日──
都から少し離れた場所で、永遠の愛を誓おうとする一組の恋人達の姿があった。
周りを自然に囲まれた教会は、2人を祝福する言葉で満ち溢れていた。
「しかし兄さん。早いものですね。あれからもう、三年ですか」
「そうだな。だからこそ、今日という日は2人を祝ってやらないとな」
「そうですね。………聖のウェディングドレス姿は絶対綺麗ですよ」
「当たり前だ」
「「篁君!!」」
成一と幸親の会話に割り込んできたのは、常の黒色ではなく、白色のタキシードを着こなす篁。
「「・・・・」」
思わず無言になる2人。同じ男のはずなのに、どうしてこうも艶があると謂うか、色っぽいと謂うか。
一重に篁の容姿が端麗過ぎるのもあるのかもしれない。
主役の篁の登場に、周りはざわめく。特に女性。主に独り身の女性のハートをがっちり掴んでしまった。篁からすれば、甚だ不本意なのだろうが。
「どうした」
「「いえ、なんでも」」
「そうか」
何も言えない2人だった。
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