企画
□君へ
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それは、とってもよく晴れた日の午後のことだった。
「ほらよ」
「は……?」
いきなり渡されたのは、綺麗にラッピングされた手のひら大の箱。
「なんだ、これ?」
「プレゼントだ。今日誕生日だろ?」
「なんで知って……」
「企業秘密だ(記憶覗いたなんて言えねー)」
「………ありがとな」
はにかむテイトは可愛い。それはもう最大級の可愛さだ。いや、世界一か?ある意味ミカエルの瞳が褒めるのも頷ける。
「(ヤバい。可愛すぎだろ)」
「なあ、今開けてもいいか?」
「いいぜ」
内心フラウが悶えていると、キラキラと輝かせた瞳をしたテイトが見上げていた。これで断れるはずがない。寧ろ断れるヤツを見てみたい。
ガサガサと開けた箱から出てきたのは、細い鎖が連なったシンプルなブレスレット。ところどころに小さな紅い石が嵌めてあり、どこかミカエルの瞳を思い出させた。
「………綺麗だ」
「だろ。その石が、ミカエルの瞳みたいだったからな。お前に似合うと思った」
「フラウ……」
「何抜け駆けしてるの?」
「まったく、油断も隙もありませんね」
「そうですよ、フラウ司教」
見つめ合う2人を邪魔?したのは、どこか黒いものを纏った3人。しかも、その手には大きさはバラバラだがラッピングされた箱が。
「「「これ、テイト(くん)に」」」
「ありがとうございます。ラブラドールさん、カストルさん。ハクレンも、サンキューな」
プレゼントを受け取り、ちょっと満面の笑みを浮かべるテイト。その上で、
「てめぇら……」
「一人いい格好はさせませんよ」
「そうだよ、フラウ」
「例えフラウ司教でも、譲りません」
バチバチと火花を散らしていた。
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