企画

□結婚します?
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「良浩や、ちょいと昌之と妖退治に行ってこい」



この一言が、最初だった。



その時聖は、ついに耄碌したのかクソジジイと思った。
聖は、安倍の者たちと妖退治に行ったことは疎か、修行したことすらないのだ。そんなことでまともに退治できるわけがない。普通は。



反論しても、聞く耳持たずで終いには、よよよっと泣き崩れる真似をする。
本当にふざけるなと言いたい。




そして当日───



「良浩と一緒なんて初めてじゃない?」

「そういえばそうだな」

「よろしくな、良浩」

「………あぁ」



能天気に笑う片割れにも渋々返事をする。あんまり能力を出したくない。此処には、千年前共に戦った彼らがいるのだから。



「(あーあ。篁兄さん心配してるだろうなぁ)」


此処に来る前の篁の顔を思い出し、遠い目をする。昌之達の少し後ろを歩き、分からない程度にため息を吐く。

帰れるものなら帰りたい。これが今の聖の心情だ。それをしないのは、クソジジイが式を通して視ているから。全く持ってムカつく。



そろそろと妖気が漂って来ていた。警戒をしなければいけないのに、気づいていないのか警戒のけの字すらない。お供の十二神将もだ。
呆れる聖を余所に前の三人は話しまくりだ。こんなことで大丈夫なのだろうか。
先が不安になる聖だった。








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