企画
□きっかけ
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第三者視点です。
私がそれを見たのは、入学してすぐの連休の時でした。
街中を、できたばかりの友達と歩いている時、向かいの道を歩いているのを見つけたんです。
「小野、さん?」
「えっ、どこどこ?」
「向こうの道の、ほら、あそこ」
指差した先には、シンプルに着飾った彼女の姿。同じクラスで、男子からも女子からも一目置かれている存在。それが、小野聖。超難関のウチの学校を主席で入学したらしい。
そんな彼女の隣には、芸能人なんて目じゃない程、超絶美形の男の人がいたんです。
「うっそー!彼氏!?」
「でもそんな感じはしてたよねー」
「そうそう。彼氏チョー格好良くない?」
「しかも似合ってるしー。うらやましー!」
友達がワイワイ言ってる中、私は学校では決して見られないような彼女を、じっと見つめていました。
彼女は、安心したように、嬉しそうに、笑っていたんです。それは、隣にいる人が、小野さんの特別だと一目で分かりました。男の人も、小野さんが特別で大切だと思っているみたいで、さり気ない動作がそう言っていました。
正直、とても羨ましかったです。相手を、あんなに思えるのが。相手から、あんなに思われているのが。
本気の恋愛をしたことがない私だけど、いつか絶対、あんな恋愛をしてみせる。そう思わせるぐらい、彼女は輝いていました。
その日は、そう心に決めて、友達に誘われるまま街で遊びました。
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