novel

□過去拍手(復活)
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ほのぼのとした空気の中、ツナはXANXASと初めて会った時のことを思い出した。


















数年前 イタリア


家光に連れられてボンゴレ本部を訪れたツナは、もうこの頃には自我があり何故自分が連れて来られたのか理解していた。
恐らくは、9代目にツナを会わせるために連れて来たのだろう。
それを感じ取ったツナは自分より遥かに背が高い家光を見上げた。


「とうさん」

「どうしたツナ」

「おれ、どうすればいい?」

「お前の好きにすればいい。父さんはお前の味方だ」

年の割に聡い子供に、家光は子供に判断させる。自分より初代の血を濃く受け継いだツナは、それこそ赤子の時から超直感の片鱗を見せていた。きっと、己の指示などよりもずっといい結果が得られる筈だ。


「じゃあおれ、だめだめでいる。9だいめにはわかるとおもうけど、ほかのひとにはわからないでしょ?」

「ならそれで行くか。まだお前は幼い。無理、しなくていいんだぞ」


本当に賢すぎる己の子に、目を細める。その賢さが仇にならなければいいと思う。


「うん。きついときは、きついっていう」

「偉いぞー、ツナ」


素直に頷いたツナを家光は少々大袈裟に褒める。ツナは少し鬱陶しいようだが、大人しくしている。家光の行動は、周りを欺く為のものだからだ。ダメツナを演じるなら、この位しなければいけないだろう。いくら家光が鬱陶しくとも。






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