novel
□3000hit記念
1ページ/9ページ
「ん?」
学校帰りの聖が見つけたのは、少し離れた神社で明後日に行われる夏祭りのポスター。多少時期外れではあるが楽しめるだろう。
「………────さんと行きたいな」
じっとそのポスターを見ていた聖を、見ている者がいたことに、聖は気づかなかった。
その日は、いつものように篁のところに寄って一応家に帰った。それまで、心穏やかに過ごせていたし、嬉しいこともあった。
そう、この瞬間までは。
「良浩、夏祭りに行くわよ!」
「夏祭り、行くか?」
「一緒に行きませんか?良浩様」
「天貴が誘ってるんだ、行くだろう?良浩」
「……………行くぞ」
どうしてこうも十二神将が集まり、しかも全員がどうして夏祭りに誘うのだろう。命令形で。
聖の表情が無のことに誰一人として気づかない。気づこうとしない。
「「「私(俺)と行くわよね(よな)?!」」」
台詞が被ったことでバチバチと火花を散らす彼ら。それを冷めた目で見る聖。
さらにそれをややこしくさせる人物が。