少し長めの夢2

□きおくそうしつ?
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空をとぶ5つの方法より
【記憶って曖昧で困る】

いきなり目の前に見ず知らずの人がいたらどうしますか?

******

気づいたら、知らないところにいて
目の前に知らない奴がいた。

「あんた、ダレ?」

「それはこっちのセリフだ」

聞いたが相手も知らない様子。
なにもないだだっ広いところに二人だけいた。
とりあえず記憶を辿るが、何故か全くわからない。
これはあれか?記憶喪失というやつか?
とりあえず言葉だけでも通じたので良しとしよう。

「…………」

なにもないので何もすることがない。
仕方ないのでその場に座り、まったりしてみる。

「いやー平和だねぇ」

「てめぇの頭の中だけな!」

人が気を紛らわせようとしているのに何だその態度は。
よくわからないがもう一人の人間は唸りながら必死に頭を働かせているようだった。

邪魔をしてはなんだと思い黙ってみるが、いかんせん暇だ。

「あー…、とりあえず自己紹介でもする?」

「記憶喪失なのに何を言えと」


後ろを向いたまま答える男。
おい、教わらなかったか?
人と話すときは目を見ろと。
少しムカつきを覚える。

「ナニその反応」

「むしろ、お前が何なんだ」


ここで怒ってはダメだ。
いまこの場には残念ながらこいつと二人しかいないのだから
仲良くしておいた方が得策だろう。
少しピリピリした空気を払拭しようと今度は明るく話しかける。

「じつは恋人どうしだったりしてー」

「「……………」」

見つめ合うこと数秒。
言った瞬間振り向きやがって…
お茶目なポーズをした自分がかなり恥ずかしい。

と言うか何。
何で何も言わないのよ。
冗談で言った私が馬鹿みたいじゃないか。

まさか本気にした?

そのまま膠着状態がしばらく続き、
奴は何かを悟った。


「…いま俺は確信した。きっと記憶喪失になる前から、お前が嫌いだったと」


互いに般若と化し殴り合いになったのは言うまでもない。




「ねえラビ…二人とも起きないよ?」

「うどんか蕎麦かで揉めて階段から落ちるとはな…
 案外二人して同じ夢みてたりして」


互いに血管浮かべたまま魘れる二人。
目覚めるのはまだ先…




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