迷作劇場

□赤ずきんちゃん
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むかしむかし、梓という名前の可愛らしい男の子がおりました。
その男の子は、くせのある色素の薄い髪の毛を隠す為いつもおばあさんの作ってくれた赤い頭巾をかぶっていました。
恥じらう愛らしい姿からその男の子はみんなから赤ずきんちゃんと呼ばれていました。

「赤ずきん、赤ずきん!」
お母さんは赤ずきんを呼んでます。しかし、赤ずきんは一向に返事をしません。
「あずさ!」
しびれを切らしたお母さんがそう呼ぶと赤ずきんは渋々と振り返りました。
「何だよ。つか、下で呼ぶなって」
赤ずきんはとても不服そうに言いました。
「梓ったらこんな良い名前をつけてあげたのに…」
話が長くなりそうだと思った赤ずきんはまたもや渋々と言った風体で用件を聞く事にしました。
「でっ、何の用?」
お母さんは赤ずきんの言葉にハッとした表情を浮かべるとそそくさと赤ずきんにバスケットを渡しました。
そのバスケットの中からは美味しそうな匂いがします。
「なんだよ、これ。」

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