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□親指姫
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−場は一旦楽屋へ−
深苑「おのれ、神子。紫が『もののけ』に憑かれているから、祈祷の為に舞台に上がるのが良いなどと私をそそのかし、その実、私を嫁に仕立てあげて馬鹿にするつもりであったのだな。…む、あれは神子と頼忠か。」
花梨「…でね、紫姫が私によくしてくれる分、最近二人の仲が離れているような気がして…。」
頼忠「そうでしたか、深苑殿に親指姫の役をおゆずりになったのはそのような理由が…。」
花梨「うん、一緒に舞台にあがって同じ空気を共有すれば、二人の距離が縮まるんじゃないかな〜って。」
頼忠「神子殿、貴方は本当にお優しい方ですね…。」
花梨「え!そ、そんなことないです…。ただ私は紫姫も深苑君も大好きで…。」
深苑「…。」
泉水「…はあはあ、深苑殿。どうか、舞台に…。」
深苑「行くぞ…。」
泉水「え…?」
深苑「何をぐずぐずしておる。花の国へいくのであろう!」
泉水「はい。」
−再び舞台へ−
−暗転後−
勝真『(ほっ、間に合ったか…。)さて、介抱され傷の癒えたツバメは親指姫を背に乗せて花の国へとやってきました。』
紫姫「ようこそおいでくださいました。私は花の国の王子、紫と申します。どうぞ私の…。」
深苑「ああ、私はお主の嫁となろう。よろしく頼む…。」
勝真『…親指姫は微笑み花の国の王子に手を差し延べました。二人は手を取り合い、その後も末永く幸せに暮らしました。』
めでたしめでたし☆
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